もう一度あの現場へ

小学生の頃、友人達の誰ともなく名付けた「ガンバルジイサン」という名の亀をよく捕った。
当時どの縁日でも人気だった「小さくてかわいいミドリガメ」のなれの果てなのだが、デカクてクサクて、くすんだ暗緑色の甲羅にオウドイロの裏側でイカツイ。
丸坊主の爺様のような風貌を眺めながら、「インドの汚い川にぎょうさんいてるお坊さんみたいやな」と思っていた。