物流よもやま話 Blog

誤解されがちなワタクシの‘やりかた’

カテゴリ: 信条

あぁまたか、、、とうんざりしつつも、作り笑顔で短く訂正する誤解――質問内容の前提として固定されている思い込みは何年経っても解消できないままだ。
自社Web上でも説明しているのだが、弊社のサービス内容を熱心に丁寧に読む奇特な方など極めて少ないので、いつまで経っても誤解は解消されぬままなのだ。

その誤解とは「バックマージンや紹介手数料を取る商売」だと思い込まれている点だ。
他の同業(類似はいるが、同一は皆無だと思う)他社の中には、マテハンやら倉庫物件やら運送会社やらを紹介する手数料を収益の柱としている例もあることは承知しているし、それはそれとして是非を問う気もさらさらない。口利き商売は大昔からあるし、広義でいえば情報産業の大多数の本質でもある。

そもそも始まりの時から今に至るまで、関与先への毎月もしくはスポット依頼分の業務料、講演や研修の出演料、各媒体への原稿料、宿泊交通費以外に請求項目を書いたことはない。
たとえば関与先企業が新倉庫を探す際には、ディベロッパー各社や倉庫所有者から紹介手数料の類は一切受け取らない。なぜなら私の顧客は関与先企業であり、倉庫物件や運送会社を探すにあたっても、常に関与先企業側のひとりとして候補探しから交渉に至るまで、一貫して立ち位置は変えない。したがって利益相反するような状況はいかなる場面でも発生しない。

ついでに記せば、私個人が情報収集や条件交渉の最前線に姿をみせることも稀有だ。
物流部門や物流会社の最終ラインから中盤付近で動く内部者として、前線に球出しする役割に徹しているので、関与先の交渉相手には私の存在は認知されていないことが常だ。
もちろん交渉の場に立ち会い、稀に質問などをすることもあるが、あくまでイレギュラーであり、本来は前線の後ろで情報整理や交渉の具を揃えたり吟味したりしている。

なので、関与先の交渉相手から手数料の類を受け取ることは、企業でいうところの不正に近い感覚となる――というのが素直な感覚だし、それについては疑ったこともない。
通常業務以外の仕事をする場合には、関与先から別途報酬をいただくようにしている。交渉相手先からのマージン類の申入れについては、「その分を値引に充ててください」とお返ししている次第だ。

もちろん上記の値引分については、私の成功報酬に一部還元願います、と関与先のエライお方にはお願いすることも言い添えておく。
信義則やら商道徳などのたいそうな身構えで貫徹しているわけではなく、ただ単に「ややこしかったりめんどうくさそうなハナシは苦手じゃ」という自他とも認める無精で横着な性格がそうさせているだけである。それを良しとするか否かは関与先が決めればよいことだ。評価は他者がするものだと思っているので、そこに関しては考えてもいたし方ないと割り切っている。

関西のあちらこちらから桜満開の報あり。
爛漫は苦手なワタクシ。
小ぶりな一本桜を見つけたら、少し離れたところから眺め楽しむつもりである。

著者プロフィール

永田利紀(ながたとしき)
大阪 泉州育ち。
1988年慶應義塾大学卒業
企業の物流業務改善、物流業務研修、セミナー講師などの実績多数。

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