拙稿で書くまでもなく、国内経済の冷え込みは深刻だ。
専門家が指摘しているとおり、超長期デフレーションを常態としたままの頭打ち消費社会にコストプッシュ型のインフレーションが足下からせり上がっている。なので無体としか言いようのない生活コスト上昇を、なす術もないまま受容せざるを得ない――というのが巷の声として最多ではないかと思う。
12月半ばを過ぎて、急激に寒気が強まった。新潟では短時間大量降雪によって高速道路や鉄道が止まり、幹線道路ではスタック多発。特に雪中で長時間の立ち往生に巻き込まれた車両では暖気維持と飲食物確保、そしてあまり報道されないがトイレの問題は深刻だったはず。
当事者同士の協力以前に、拙速を厭わず行政が即座に身を乗り出して救援出動しなければならない。今回のように自衛隊への出動要請は躊躇なく実行してほしいと心底願う。
つい先日アマゾンで買い物した際にトラブルとなった。
カスタマーサービスとの煩雑でもどかしいやり取りの末に事態は解決して、遅れること10日余りで当初の希望通りに買い物できたのだが、個人的には「へぇ~、アマゾンでもまだそんなことがあるのか」という顛末には怒りや憤慨よりも驚きの方が勝る結果となった。
全国的に冷え込んできたこの数日だが、暖房設備の不十分な現場にとっては辛く厳しい日々の始まりである。
作業倉庫では可能な限り開口部を締め切って冷気の侵入を防ぎつつ、作業者には発熱保温素材のインナーウエアを支給したり、梱包や事務パートには足元暖気機器を設置して凌ごうとはしているものの、十分とは言い難いのが現状だ。
とある若い物流マンが「それは何ですか?」と怪訝な顔つきで私に尋ねた。
客先で篩(ふるい)に例えてのハナシをした際の出来事だ。よくよく考えたら彼の質問はもっともで、「篩に掛ける」という慣用語の元になった場面を目にしたこともなければ、篩という道具を使ったことも見たこともないのだ。
長年抱えている不満であり、同時に大いなる疑問。
それは、天井までの空間を有効利用するための高額ではないネステナー水平移動および昇降機がなぜないのか?である。
イメージを明確にするために言い換えれば、「左右上下に移動するネステナーラック群」という表現がよいかもしれない。
永田利紀(ながたとしき)
大阪 泉州育ち。
1988年慶應義塾大学卒業
企業の物流業務改善、物流業務研修、セミナー講師などの実績多数。
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