
関与した会社の数は三桁だと思うが、業務見積作成前の「見立て」が外れたのは3社だけだ。
それ以外は全社取引開始後に業績向上している――のがしがない物流屋のささやかな自慢。
ちなみに外れた3社に共通するのは、自身のルールを破ったという点に尽きる。
「経営者と会って3つの質問をして返答をもらうまでは見積を書かない」
である。
あれやこれやと検討した後にやっと見積書完成⇒提出。
となって、あとは結果を待つのみ。
の心づもりで見積提出したのだが、その場で荷主の物流マネージャー(以降、荷マネ)が、
「中身は精査の上、部門責任者と関係部署に回して検討いたします、、、、ところで…」
しかしながらECサイトは新たに構築・運営できているものの、物流業務は親会社に丸投げ状態なので、平たく言えば仕入とサイト運営しかやっていないというのが実態だった。
祖業から多角化の一環として着手したECと付帯業務。
しかしながら想定以上に発生する入出荷トラブルやいつまで経っても払拭できぬ異物感に限界を感じ、親会社内でも物流業務は外注しようということになった
「なにがなんでも月次請求を定額にしてほしい」
と頑なで、断じて譲らないのだ。
「おいおい」という読者諸氏のツッコミは承知している。
そんなもん不合理に決まっているし、双方にとって不当な損益が発生するリスクが常在している――というより月替わりでどっちかが得をして損をすること明らかである。
自社物流に多いのは、
「他所は他所、わが社はわが社、、、と割り切っている」
と言いつつも、自己採点だけではイマイチ心もとないのか、
「うちの数字って他社に比べて悪いですか?」
のように、質問の過半は現場作業にまつわる要領や諸数値や労務についてである。
裏を返せばどの事業所でも「わが現場の適正数値とはいかに」を検証することが永遠の課題として常在している。
運賃や荷役料を抑えつけられている事例で多いのは、
「元請けが下請けに出した仕事を孫請けに再委託して、ひどい場合にはさらに曾孫請けまで存在、、、のような同業内での多重下請けがもたらす薄利もたれあいの常態化」
である。つまり荷主が直接関与しない場所で仕組や利益配分が決定されている。
永田利紀(ながたとしき)
大阪 泉州育ち。
1988年慶應義塾大学卒業
企業の物流業務改善、物流業務研修、セミナー講師などの実績多数。
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