先日テレビニュースを観ていたら、高齢化・過疎化が進むエリアでの「荷を届ける方法」についてのハナシが放送されていた。
その特集ではドローンを活用して高齢者世帯やへき地に住まう住民に配達できないもんかとアレコレ苦心する人たちの姿が映し出されていた。
現場管理者にとって、パート従業員の年収調整はややこしくデリケートなモンダイだと思う。
103万、106万、130万、150万、201.6万、調整なし――のように居並ぶ「年収の壁」と呼ばれる切実な事情が現場従業員のそれぞれにある。
整理整頓すれば特別難しくないハナシなのだが、往々にして「いくらまでならどうなるんだっけ?」という会話が管理者諸氏の口から洩れることも少なくない。
つまり丁寧な観察と分析と判断をアタリマエの基準で迷いなく行えれば、その組織本来の能力が勝手に発動するだけのハナシである。人体に自己免疫や自然治癒力が備わっているのと同様に、物流現場にも本来の自浄力や回復力や推進拡張する能力が必ず潜在している。
私の仕事はそれを引き出しているにすぎず、業務関与している時間の中で、ためになるハナシや秀逸な技術論などは皆無に近い
主眼を置くべきは中長距離便ドライバーの稼働時間が減ることなのだから、
・出荷口数を減らす
・時間猶予する
・実車率・積載率を上げる
のいずれかから手を付けるのはあたりまえである。
作業手順書の綿密な作り込みと頻繁な微修正と定期的な総検証。
作業手順の補助となる現場掲示物や動線補助のツールの追求。
「現場憲章」とも呼べる作業手順に付帯する「約束事」の記載。
上記に類するものがあれば、相談事はあまりないはずだ。
まともな大人のいる会社なら、宝物たる新入社員をはじめとする若者が、袋小路や穴の底でもがき苦しむまま救いがない状態を長くは放置しない。
およそ乗り越えられぬであろう試練を意図的に与えたり、目的到達への経路やそれを走破するための伏線にもならぬ心身への過酷な苦行を他者に課すような所業は、仕事と人生の場数が足らぬまま馬齢を重ねた未熟幼稚な愚か者の暴力でしかない。
永田利紀(ながたとしき)
大阪 泉州育ち。
1988年慶應義塾大学卒業
企業の物流業務改善、物流業務研修、セミナー講師などの実績多数。
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