物流よもやま話 Blog

びんつけ油とサクラサク

カテゴリ: 余談

大相撲三月場所が終わった。千秋楽の結果が気になったのは久々だった。
お相撲さんがびんつけ油の香りを漂わせて難波の街を歩き始めたらいよいよ春の訪れ。
そして府立体育館周辺の賑わいが終わりを迎える頃には桜が咲いて、新年度が始まる。
ちなみに元横綱白鵬が15歳で来日した際に身を寄せたのは大阪府大東市にある物流会社。
私も少し付き合いのあった会社なのだが、今でも宮城野親方(元横綱白鵬)の話題が出るたびに他の力士よりも親近感を感じてしまう。

花見に限らず企業内での催しものは下火となりつつある。
社員旅行や新年会・忘年会・休日の各種イベント、、、自由参加が正とされ、企業によっては会社事とすること自体が×なのだとか、、、古式ゆかしい大企業ほどその傾向が強い。
コンプライアンス乞食とでも言えばよいのだろうか。関与先のエライ方々とはこんなハナシばかりしているが、あんまり書くと叱られそうなので止めておく。
勢いに任せてひとたび書き始めると、前時代的かつ反現代社会的発言を連発しそうなので控えるが、風物や慣習は年長者からの誘いや全体行事的強制あってこそ存えるという側面は否めないのになぁ。とボソボソ愚痴るワタクシである。

桜の季節に企業の花見軍団が繰り出してこない。
新人の場所取りも今は昔。
昼間から酔っぱらって「今日は無礼講じゃぁ~」と部長が宣言したはずなのに、コメ粒ほどの無礼であっても絶対におぼえている上司たち。
幸か不幸か職場の花見や社員旅行や各種宴会の経験がほとんどないに等しいワタクシには、羨ましいやら御免被りたいやら滑稽でちょっともの悲しい光景に思えたり。

読者諸氏の職場ではいかがだろうか。
やはり昨今の時流に逆らわず、大人数でのいわば〝公式開催〟は控えて、小グループでの有志会合的宴会が主流なのだろうか。(ワタクシの周辺はその傾向が強いのです)
年に数度ぐらいなら、皆で集まってワイワイガヤガヤ、、、もよいのでは?と思うワタクシは、もはや時代錯誤組に属しているのかもしれない。
「桜だョ!全員集合」と号令したら、「だめだこりゃ」や「次いってみよー」と呆れられるのだろうか。だとしたらなんだか悲しいなぁ。長さんも草葉の陰で泣いていそうだ。

「オイーッス!」の掛け声で始まる花見宴会。
も、ちょっと無理がありそうだなぁ。ドリフを知らん若者たちには「?」でしかないか。
国内有数の桜の名所で、宴会開始直後から爛漫の桜なんかほとんど見もせずにひたすら酒を呑んで、ぐでんぐでんに酔っぱらって、前後左右に揺れながら大声で部下に説教し始めたかと思えば、ハナシの途中で頻繁にトイレを往復し、そのうちいよいよ酩酊して、前後不覚となってからも桜の幹に小言を言い続けて、、、やがて幸せそうに眠る。
今の世間ではそんなオジサンを許してやる余裕はなくなってしまったのだろうか。
ちなみにオジサンとは違うタイプの酒癖悪いオバサンやオネーサンもたくさんいたのだが。

「ホントにたまらんぜぇ、酔っぱらいのオッサンとオバハンとケバイ先輩OLの皆様」という友人の愚痴がうらやましくもあり、怖いもの見たさで参加してみたいと思った若き日。
今となっては言っても詮無いが、誘われるままに一度でも参加しておけばよかった。

桜爛漫を下から眺めるのがコワイ私の振り返りハナシでした。

著者プロフィール

永田利紀(ながたとしき)
大阪 泉州育ち。
1988年慶應義塾大学卒業
企業の物流業務改善、物流業務研修、セミナー講師などの実績多数。

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