物流よもやま話 Blog

インバウンドと空港受取サービス

カテゴリ: 予測

あっという間に10月もあと数日。のようなことを毎年言っているし、その次の言葉は「瞬きするように年末を迎える」とかなんとかである。
近年の傾向どおり、秋と夏の中間のような気候が続いているので、日中は汗ばむことも多い。
しかしながら軽装でも心地よいのは老若男女問わずありがたい限り。加えて国内外向けの観光振興策が奏功しつつあるのか、行楽客でにぎわう各地の光景をニュースで目にすることが多くなってきた。このまま盛況を維持してほしいと切に願うし、来年の春節からは中国人観光客数の本格的な回復が見込まれているので、インバウンド消費増加も大いに期待できる。
ゆっくりとではあるが、コロナ前への原状回復の動きが視えるようになってきた。国内経済には課題山積とはいえ、まずは足もとから徐々に、を心がけるべきだと思う。

先週関与先で出た話題に「インバウンド購買品を空港で受け取るサービス」があった。コロナ前には、ヤマト運輸をはじめ、外資系の運送事業者などが、提供開始したりしようとしたりしていたはずだが、現在は開店休業か廃止されてしまっている。
大型のキャリアーケースなどに大量の購買品を詰め込み、それでも足らぬ場合は手提げ袋やリュックを背中に背負ったりして、街を往来する外国人観光客の姿――もし購買店から空港に移送されて、出国手続き時直前にまとめて一か所で受け取れるなら、観光客にとっては非常に便利で合理的なサービスとなるはず。
なのだが、頓挫した理由はコロナ禍の影響のみならず、というのが実情のようだ。
その理由としては空港と航空会社の規制や規則にまつわる因果があるのだろうが、ここでは掘り下げたハナシは控える。(全然オモロクないうえに、毎度のオチにタメイキなので)

関与先の責任者氏は「運送会社が対応不可なら空港内でテナントとして場所を確保し、購入品引渡しカウンターを設置したらどうか」と意見を述べておられた。
実に合理的なうえに、数社乗り合いで運営できそうだ。数社が労働力やコストを按分して協業もしくはコスト負担して利用すれば、国内主要国際空港に設置可能ではないだろうか。
物流の出口を新設する妙案ゆえ、踏み込んで考えたいと思っている。「わが社も是非加わりたい」という企業があれば、私までご連絡いただければ幸甚であります。

社会・経済ともに暗く厳しいニュースが多い。
疫病と戦争がもたらした長い苦境は辛いが、規制概念や既得権益を壊したり亀裂を生じさせる力にもなりえる。次世代を担う若者たちの往く手をふさぐ壁や天井が壊れ、その先にある碧い空や果てしない水平線が見通せるようになるなら、われわれオッチャン・オバチャンたちは多少の我慢を受け容れるべきだ。
野焼きの後には新芽の緑地が生まれるように、災禍の後には新しい世代が台頭してほしいと願っている。そのためのひざを折って耐える時間がこの数年だったと思えば、若者たちが跳躍する場面を楽しみにできる。
柄にもなくそんなことを願う最近のワタクシなのであります。

著者プロフィール

永田利紀(ながたとしき)
大阪 泉州育ち。
1988年慶應義塾大学卒業
企業の物流業務改善、物流業務研修、セミナー講師などの実績多数。

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