
いやはやいきなり大寒波到来の今月下旬。
すでにご周知のとおり、記録的な大雪と路面凍結で高速道路及び並行幹線路は計画封鎖され、従来以上に解除までの時間を延ばした措置が目立つ。
昨年11月に「今年もドカ雪注意」と書いたものの、あんまり雪が降らぬまま越年したのでちょっと油断していた。今回の記録的な降雪量を見聞きして「やっぱりJPCZ襲来と低温凍結には注意警戒を怠ってはならない」と痛感しているワタクシなのであります。
(‘それにしても高いなぁ’と愚痴りながら冬用タイヤを新調しておいてよかった)
降雪・凍結路対応の足回り装備が用意できない運送車両では稼働できない地域が目にみえて増えている。冬季の輸送容量は例年以上に減少幅が大きくなっているということだ。
さらには今回のように、
「人も車もあるが道が通れないので不稼働。こんな状態が1週間続けば今月は赤字」
という事業者も少なくない。
前にも書いたが大型車のスタッドレスタイヤの価格を聞けば、小規模経営の運送事業者はおいそれと「冬季には全車両履き替えさせています」と言えぬ事情も理解できる。
「降雪地帯への仕事を請けたいが、寒冷地を走ることができる足の車がない」という切実な声が聴こえてくるのもこの季節ならではだ。
タイヤとくにスタッドレスタイヤの価格高騰は、運送事業者の事業コストに重く辛くのしかかっている。3ヵ月間ほどの降雪期間用に一台につき百万単位のコストをかけても見合う仕事を途切れなく確保できる事業者は限られている。夏タイヤに比して耐用年数が短い冬タイヤの高額費用を回収するには相当な高単価・高頻度の受注が必要である。
そこまでの営業力や収益力のない事業者たちが、
「安全運行・法令順守のために赤字収支でも走る」
を是とできないのなら、仕事を請けないという結論に至るのは当然のことだ。
冬仕様未装備のまま降雪地帯への配車などありえないと考えるのがまともな大人なのだが、なかには非常識で悪質極まりない事業者も稀にいる。
“背に腹は代えられないので”
という言い訳を並べる経営者がいるとしたら、商売と何を天秤にかけているかが判っていないようなので、即刻まともな大人から自身の常識欠落を正してもらうべきだ。
そんな不届き者のせいで、本来無用だったはずの人身事故や大渋滞による健康被害や経済的損失が発生する。他者を巻き込む愚行は犯罪に等しく、決して許されない。
しかしながらこんな水際でのハナシ以前に、
「頑張って頂けるようなら是非お願いします」
「この荷だけはなんとか明日中に」
のような、
“お願いの体裁ではあるがその実は命令や強制”
は荷主側が止めなければならない。
「素人なので道路事情や運航可否の判断がつかず、無理なお願いだと判断できなかった」
という都合のいい、素人面おとぼけは軽蔑に値すると知ってもらいたい。
「ドライバーが足らんので、アンタが大雪の関越道か17号線を運転してくれ」
というハナシなら「素人なので無理です」は誰もが肯くが、気象と交通情報についての判断を無視や放棄するような発言は認められぬということを今回も言い添えておく。
業務が物流にかかわるのなら、基本的な知識や情報は備えて仕事するべきなことぐらい言わずもがなである。担当者個人のモンダイではなく、荷主企業の業務品質の評価に直結する項目のひとつ、、、なんていう説明は無用だろう。
自社商材の出荷ハンドリングについて素人を装う会社が顧客から信用されぬのは自明だ。
あんまり怒ってばかりだと読むほうがシンドイかと思う。(当の本人もシンドイ)
なのでこれでやめておくが、物流事故や混乱の十中八九は人災であるので、どうしてもうるさくきつくなってしまうのだ。
・事前に準備すれば大過なかった
・連絡をしていれば変更できたのに
・誰にも強要されていないのに勝手に思い込んで
・誰かに相談すればこんなことには
・自信過剰としか言いようのない判断ミス
書出すと止まらぬのでここまでに。
そもそも掲題からしてこんなハナシをしたかったわけではない。
とても嘆かわしいが、わが国の四季はその区分が年々ぼやけてゆくようだ。
特に春と秋が短く小さくなって、夏と冬の間に別の季節があったのかどうかすらはっきりしない――と感じませぬか読者諸氏殿。
半年間近くまで拡がった長い夏季は亜熱帯。
温暖基調の冬季はいきなりの亜寒帯化によって急激な低温と災害級の大雪警報が頻出。
夏冬の曖昧な終わりから1~2週間ぐらいしか感じない春と秋。
移り変わる四季の彩など、もはや遠い記憶でしかない昭和万博±15年生まれ世代。
平成以降に生まれた30代半ばまでの皆さんは春夏秋冬の体感が昭和世代とは異なっている。
「初詣の帰りにみた銀杏の黄落はとても綺麗だった」
なんていう会話に違和感や季節感のズレを感じることもないのだとか。
戦争だけでなく四季も知らない大人が増えつつあるということか。
永田利紀(ながたとしき)
大阪 泉州育ち。
1988年慶應義塾大学卒業
企業の物流業務改善、物流業務研修、セミナー講師などの実績多数。
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