物流よもやま話 Blog

エンドクレジット2020

カテゴリ: 信条

カレンダーの巡り合わせで、本年最後の掲載はクリスマスとなった。
全世界がほぼ一年間、疫災と呼ぶにふさわしい視えない被害に見舞われた2020年。
毎年欠かすことなくにぎやかに華やかに街が彩られ、音楽が流れて、人々の笑顔や歓談で往来の空気は弾むようにふくらむ――昨日から今日にかけてのそんな風物も、控えたり取りやめたりの連鎖で消沈している様子が痛々しく憂うつ極まりない。

誰もが語り綴るであろう今年の振り返りは、本稿ではあえてせずにおきたい。
振り返るにはまだ早く、現在もわれわれは視えない脅威と共存しつつ闘っている。
なので私のような素人が評論じみた浅いコメントをする要はまったくないのだと思う。

2019年の最終エントリーであえて書かなかったことがひとつ。
実は昨年のゴールデンウィークに酒をやめた。
旧知の方々からすれば「まさか」と言われてもいたしかたないほどの大酒呑みだったゆえ、自分自身でも「いつまで続くことやら」と半信半疑だった。一度決めたら貫くほうだが、さすがに酒に関してはぐらつきかねず、前言撤回はみっともないので伏せていた。
やめた理由は至極単純で、ドクターストップに他ならない。
そもそもがアルコールにまつわる病状の気配を感じて受診したのではなく、まったく別科であれこれと検査するうちに、血液検査で引っ掛かったのである。
(耳にしたことがないようなγ-GTP値だった。思い出すたびにゾッとする)

で、即禁酒……期間断酒になるかと思っていたが、自分でも驚くほど禁断症状がなかった。
で、今に至るというわけだ。
ついに「呑まない・打たない・喫わない」の三拍子揃った優等生になった。
もともとが「呑む・喫う」だけだったが、ヘビースモーカーでヘビードリンカーでもあり、こんな日が来るとは夢にも思っていなかった。
5年ほど前にタバコをやめた際にも、「さすがに酒はぜったいにやめられそうもないな」などと周囲に漏らしていた記憶がある。なので、誰よりも自分自身が驚いているのだ。

というわけなので、昨年のクリスマスや年末年始はお茶やジュースやたまにノンアルコールビールで過ごしていた。不思議と物足りなさや口寂しさは感じなかった。
ありがちなハナシだが、タバコをやめて酒もやめると、ものすごくメシがうまくなる。したがって体重が増えて仕方ない。
何が困るって、衣装類がきつくなって、着ることができないものが続出する。
「脱いだらぜんぜんすごくない」体躯の典型で、どちらかというと細身に属するほうだった。それにあわせた衣装ばかりなので、身長(177㎝)と齢相応の標準的な体重になると衣類がきつくなる。(今までは46とかMサイズだったが、もはやほぼ無理である)
家人以外の誰にも伝えないまま今日にいたっているが、なんとなく「もう大丈夫」と感じているので書いてみたというわけだ。公表をダメ押しに代えるところが意志薄弱の証左と自覚してはいるものの、目的達成のためにはなりふりかまっていられないのである。

先週の掲載原稿を書きながら、学生時代の暮らしを思い出していた。
学業はそこそこに、ボクシングジムとアルバイトに明け暮れる毎日だった。しかしそれ以外にもたくさんあったはずの出来事の大半はぼやけて記憶からこぼれ落ちている。
平穏な4年間だった――ぐらいの総括しかできないのは、何かに打ち込む懸命な生き方など無縁で、野放図なまま過ごしていたからだろう。
たくさん本を読んだことは唯一の及第項目になりそうだが、残りの大半は落第とされてしかりだ。なんとなくその後の人生を暗示していたようで、因果応報・因果具時の熟語が浮かび上がってぼやけながら遠ざかる。
断酒ぐらいはちゃんと貫いて、多少なりともマシになった姿を若き日の私に見せたやりたい。
などとヘンテコリンな妄想をするのも年の瀬に免じてよしとしている。

疫災の2020年。
耐えて、忍んで、控えて、止めて、辞めて。
憂い、迷い、憤り、案じ、、、ただただ希い、ひたすらに祈り。
そんな言葉が旋回し続けたのは、私に限ったことではないのかもしれない。
そしていかなる苦境や混迷の中にあっても、一年の終わりを飾るエンドクレジットは誰の心にも静かにゆっくりとロールアップする。
その最後に「来年は必ず」………と言葉をつなぐのもやはり私に限ったことではないはずだ。

本年もお世話になりました。
拙文の読者諸氏、その他さまざまなやり取りや言葉を交わしていただいた皆様。
すべての方々に心からお礼を申し上げます。
今年も私のエンドクレジットにはたくさんのお名前がロールアップすると思います。
巡るすべてのお名前に深い感謝を念じつつ、本年を終えたいと思います。

大晦日までの刹那、穏やかなほほえみの時をお過ごしになりますように。
そして来る年こそ疫災が止んで、誰もに覆いのない暮らしが訪れますように。
陰ながら祈念しております。

永田利紀

著者プロフィール

主筆 T_NAG
大阪 泉州育ち。​
1988年 慶應義塾大学卒業。
しかし、ボンボンでもイケメンでもない。

失敗や挫折の数なら、世界規模の自慢大会に出ても結構いい線行くのでは?
と自画自虐しています。

映画と音楽と小説が大好き。
カメラは人生の伴侶みたいなもの。昔は車マニアでしたが、最近は楽にドライブできることが最重要。なので、燃費と快適性が車選びの基本に。

泥臭い努力型の典型なので、弁舌鋭いキレキレな遣り取り、とかは無理です。

【仕事の自慢】
「取引する企業は必ず業績が良くなる」
​何にも替えがたい喜びです。

【好きな言葉】
「粗にして野だが卑ではない」
​絶対に曲げることのない信条です。

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