
成功を夢みたりしないのは子供のころから今も変わらぬまま、、、
――いやいやそっちの夢ではなく寝ている最中のほうのハナシである。
したがって初夢というのにも縁がない。
――なのだが、実は起床時に覚えていないだけかもしれない。
しかしながら先日見た夢はとても生々しかった。
ぞっとするような後味や残像を置き去りにして寝起きの脳裏にへばりついていた。
めったにみない夢なんだから、めでたく景気よいハナシであってほしかったなぁ。
新年早々のろくでもない悪夢とは、コロナ禍の再来でまたもや世界中が混乱と停止と閉塞の袋小路に追い込まれ、人々が不明な明日を嘆き悲しんでいる、という内容だった。
サナエノミクスからサナエノマスクに流行り言葉が転じてゆく流れも、つい数年前に起こった出来事の写し絵のように酷似していた。
「どうしてあんな夢をみたのだろう」
と不思議だったが、おそらくきっと菅前総理の政界引退の報道時に流れる経歴と業績の映像がきっかけとなって、コロナ禍当時の記憶がよみがえってきたのだと思う。
さらには先週の掲載稿の内容が後押ししたのかもしれない。
物流現場での水際防除策や出勤調整。
事業所や物流センターでの集団感染による営業停止。
病院裏手の臨時窓口でPCR検査に並ぶ老若男女の列。
ワクチン接種会場で無言のまま順番を待つ大勢の人々。
払底するマスクと販売制限、不当な買い占めや異常ともいえる価格高騰。
など、思いつくまま並べてみたら、ろくでもないハナシばかりである。
そういえば、コロナ禍緊急事態宣言が解除間近な頃、アベノマスクの物流コストを試算して本コラムで掲載したら、ものすごい数のアクセス数が連日のように、、、
なかでも「go.jp」で終わるドメインからの訪問が目に付いた。
夢の映像で強烈だったのは、京都・四条大橋から八坂神社前の交差点まで人も車も疎らな正午前の四条通。指折り数えるまでもない人通りの祇園や先斗町。
貸し切り状態の上賀茂神社。同じく奈良の長谷寺。そして伊勢神宮外宮・内宮。
その他「混んでいるのがアタリマエ」とされてきた名所旧跡や遊興施設。
――上記はぜーんぶコロナ禍の期間に自らが体験したことである。
関東並びに全国の大都市中心部や観光地でも似たような状況だったし、営業休止から廃業へと至る店舗や施設が続出した。仕事量が減った物流施設では人員整理が活発化し、雇用形態にかかわらず雇用調整や勤務時間短縮による所得減少が目に付いた。
かたやで雇用調整金を活用して乗り切った事業者も多かったはずで、あの資金がなければ倒産や廃業の数は数倍になっていただろう。最低限の人員確保ができたおかげで、疫禍収束とともに再稼動できた物流施設はたくさんあった。
私の関与先は幸いなことに雇用と所得双方でほぼ無傷のままコロナ禍を乗り切って何よりだったが、そんな事業者は極めて少数派だったはず。多くの事業者は何らかの後遺症や欠落を抱えたまま疫災をなんとか乗り切ったに違いないし、生き残ったこと自体を大いに称えたい。
いっぽうで副作用的な社会現象として「雇用とは?」という命題が再掲示され、根本的な見直しを図ろうとする動きが活発化した、、、、という流れのまま今に至っている。
もし疫病の再流行が起こったら、数年前の苦い体験や損失・喪失からの学習効果による対処力向上が功を奏して、軽微な被害や調整で済ますことができるのだろうか。
はたして経済活動に障りないまま収束を得られるのか。
BCPの予行演習同様に、各位それそれに想定してみてはいかがかと思う次第だ。
永田利紀(ながたとしき)
大阪 泉州育ち。
1988年慶應義塾大学卒業
企業の物流業務改善、物流業務研修、セミナー講師などの実績多数。
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