物流よもやま話 Blog

すごい数の外国人観光客

カテゴリ: 余談

大型連休後半になったが、皆様はいかがお過ごしだろうか。
先週書いたとおり、ワタクシは近所をウロウロしたり、自宅で映画などを観たり、片付け物をしたり、、、のように、おもいっきり呑気な毎日であります。
これほど何もしない・遠出しないGWは初めてかもしれませぬ。

先月訪れた函館では、駅や観光名所などのいたるところに外国人観光客が大勢いた。場所によっては日本人を探さねばならぬようなことも間々あり、円安が増幅させているであろう日本国観光パワーを思い知った次第である。函館山や五稜郭タワーなどは誇張なく「日本人いてへんやん」と感じること頻繁で、実数としても来訪者の7割以上を占めていたと思う。

その経験が鮮明なまま残っているせいもあって、わざわざ人混みにもまれに行くような京都や神戸、大阪の繁華街などには足を向ける気になれず、人気少ない地味で素朴な低山や公園を散歩するぐらいが日々の行楽となっている。
期間半ばの平日は仕事していたので、生活のリズム自体に変化はなく、得意の「なーんにもしない」ことを旨とする無気力生活に浸っているのだ。

以前にも書いているとおり、豪勢な散財は外国人観光客に任せておいて、日本人はお金のかからぬ暮らしを常とするほうがよいと思う。それは若き日に訪れたヨーロッパ数か国の都市部と郊外の暮らし方や物価や消費の違いを目の当たりにして以来、ずーっと心の中にある想いのひとつだ。

ロンドンやパリ、ローマ、ウィーン、、、などの数多い観光都市はいずれも物価高で観光客の落すお金は多大だ。ホテルは言うまでもなく、住宅の賃料や生活用品の価格も、当時の東京都市部に比してもはるかに高かった。ちなみに当時は1ドル120円台前半だったので、海外旅行は強烈な割安感に満ちていたはずだが、それでも「けっこう高いなぁ」と口にするものが多かった。
かたやで都市部から列車で一時間ほど離れれば、物価や消費の実態は激変することに驚きつつも納得した記憶は今も鮮明なままだ。
当時の私にとっての1000円はニューヨークやロンドンやパリでは500円ぐらいの価値しかなく、そこから少し離れた郊外に行くと、千円で相応と感じる消費ができた。
もちろんものによっては(例えば生鮮食料品)などは劇的に安く、果汁ジュースや牛乳、酒類などは「えっ?」という値段で買えた。都心部では割高感の連続だった外食にしても、郊外では結構お安い店がたくさんあった。

それは日本国内の実情と全く同じであり、数十年前よりも現在のほうが、当時の欧米諸国の大都市部と郊外部の格差に近くなりつつあるのではないかと感じている。
わが国もかつての“欧州西側諸国”が経てきた道を歩みつつあるのだろうし、国の形や国民の暮らしも多少の違いこそあれ、本質的には先に栄え先に老いた国々に倣うのだと思っている。
欧州同様に栄華の時代に公共財を増やしたので、無料で利用できる公園や道路や施設が数多くあり、医療や教育の施設も一定数はすでにある。

親の仇のようにデフレを忌み嫌うべき悪者に仕立てているが、必ずしも全否定の対象とすることはないと思っている。観光立国としての「売り物」「見世物」は国の稼ぎ頭として、海外からの来客向けに大いに売り上げをあげてもらいつつ、自国民は合理的で質実な衣食住を生活の旨とするのがよいのではないかと思う。
ちなみに社会主義や共産主義の唱える世の中にはまったく興味も魅力も感じていないので、誤解なきようお読みいただきたい。

個人的には、観光政策は仏と伊、物流業界の労働政策なら蘭か独、気構えは英、、、がワタクシ的理想。米中は有史以来ずーっと国内外での争いと混迷の繰り返しで、それは国の本質なのだろうからわが国の手本とすべき相手ではない。殉教に躊躇なく己の存在をかけて最後の一人が死に絶えるまで戦う民の国の精神世界は日本人に理解不能だし、真似できるものではない。
となると、国土が小さい、資源が少ない、基本的には農林水産と製造に向いている国民気質で生真面目で几帳面…オランダやベルギーあたりをよーく観察してみるべきか、、、、、、

観光客でごった返す国内各地の観光名所を映すニュース番組を観ながら、そんなことを考えている大型連休である。

著者プロフィール

永田利紀(ながたとしき)
大阪 泉州育ち。
1988年慶應義塾大学卒業
企業の物流業務改善、物流業務研修、セミナー講師などの実績多数。

最近の記事

アーカイブ

カテゴリ

お問い合わせ Contact

ご相談・ご質問等ございましたら、
お気軽にお問い合わせください。

お問い合わせフォーム