物流よもやま話 Blog

つかわない大型連休

カテゴリ: 余談

「せまい日本 そんなに急いで どこへ行く」
という昭和の川柳で〆た掲載は、昨年4月28日、、、つまりGW直前の金曜日だった。
今年は遠出することなく、近場でのんびり過ごすつもり――先週すでに仕事と余暇を兼ねて北海道と東北を回ってきたので、もはや行楽に費やす財力も体力も気力も残っていない。

というわけなので、GW期間中の平日は関与先で通常業務を行う予定であるし、旗日は普段の週末と似たり寄ったりとなりそうなのだ。
物流部門については大型連休期間を全休できない企業が多い。従って交代休や連休開始日の前倒し・後倒しによる“ずらし連休”などを導入している事業所や部門などが増えている。
「どこ行っても割高で混んでいるから出勤するほうがよい」という本音は決して少数意見ではない――は今に始まったことでもなく、不肖ワタクシも同じ感覚である。

なんと言っても大型連休は「季節を問わずヒマ」というのが実態の大勢を占める。
なので普段時間が割けぬことに向き合える貴重な機会でもあるし、今頃の時期は気候も良いので、庫内の大掃除などをするにはもってこいなのだ。
多くの企業及び家庭で恒例化している年末の大掃除には異議あり!と言い張って四半世紀以上。今一度よくお考えいただきたいのは、ややエライ方々以下平社員に至るまでの大方が、師走の駆け込み仕事が終ってバテ気味なのにもかかわらず、クソ寒く、水が冷たいのを我慢して大掃除せねばならない。しかも自宅でも同じく大掃除、、、しんどくないですか?
まとまった片付けや清掃をするなら、シャツ一枚で過ごせてヒマなGWこそが最適である――というのを大昔から訴え続けているが、一向に広まらぬのは残念でしかたない。

GW期間に出勤の皆様には以下の内容も是非気に留めていただきたい。
過去にも書いたが、嵐のような集中豪雨が見舞う季節を迎える前に、水仕舞いの点検や修繕をお忘れなく。側溝の清掃や土嚢などの準備確認なら現場スタッフでまかなえる。
それから、夏前には建築業者に依頼して雨樋と排水管の点検と修繕は済ましておくべき。それだけで建屋内への雨水侵入を軽減もしくは防除できる可能性が高まる。
本筋のハナシとしては優先順位第一とはいえ、廉からぬ費用がかかるので言いにくいが、外壁と屋根の塗装も経年劣化の限界前には施していただきたい。
特に自社物件所有の事業者なら、資産価値の維持と保管物たる自社商材の保全には欠かせないはずなので、手当の段取りを怠らぬよう進言する。まともな建築で、上述した類の維持管理工事が適宜施されているなら、倉庫建屋は100年を超えて使用できる。方形で壁量が多く屋根が軽いので、耐震性に優れているし、単純な矩形はメンテナンスに易い。

というようなハナシを懲りることなく手を変え品を変え言葉を変えて関与先でしているわけだが、全社が「ゴモットモ!早速予算化して手当てします」とはならないのも承知している。
「せめて屋根と外壁ぐらいはなんとかしたいけど、足場代だけで、、、」
というエライお方の渋面が眼に浮かぶのは、この手のハナシをする際には毎度のこと。
とはいえ言い続けるのがワタクシの生業であるから、迷うことなく貫徹するのであります。
GW中の平日などは格好の進言チャンスとなるのです。

お金と体力をつかわないGWのハナシのつもりだったが、最後は廉からぬお金と少なからぬ気を遣う物流施設の維持管理云々に流れ着いてしまった。
自社物件に限ったハナシではなく、倉庫を賃借しても業務ごと外部委託しても、結局は維持コストを割高に分割負担しているだけ、、、という算数は誰しもわかっているのだけれど。
ちなみに中規規模の優良中古物件が売りに出される傾向が加速する、、、というワタクシの見立てが当たっているなら、大いに検討の余地ありですぞ。

著者プロフィール

永田利紀(ながたとしき)
大阪 泉州育ち。
1988年慶應義塾大学卒業
企業の物流業務改善、物流業務研修、セミナー講師などの実績多数。

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