物流よもやま話 Blog

みんなどこに行くのだろうか

カテゴリ: 余談

多くの企業や役所では今週後半から夏季休暇期間になるようだ。
台風やら危険高温のニュースが続いているが、かたやで各地では花火やら海水浴やら夏祭りなどの各種イベントが制限解除の号令の下で盛んに催されている。
そうなると、コロナ禍前には毎年の風物だった高速道路の渋滞予測、新幹線や航空機の予約状況と駅や空港の混雑などが連日のように報道されるわけだが、これも久しぶりである。

物流業界は、ECの現場なら変則・分割・交代の組合せで休暇日数の確保、それ以外の業態や本社機能は本日11日から来週の16日までの日程で夏季休暇、、、が多数を占めている。
行楽地が混めば混むほど物は売れなくなるので、物流倉庫の業務圧は上がらない。つまり、交通機関や道路の混雑情報が多いほど、物流業務量は下方に振れてゆく見立てが強まるのだ。
過去の統計どおり、今年も連休明けの仕事量は多くないだろう。したがって人員配置は通常の週頭と似たような内容で支障ないと思われる。EC専業については前年並みなら好調と評していいはずで、前年割れする事業者が目立つ状況となるのではないだろうか。

コロナ禍前の夏季休暇の時期には、毎年似たようなハナシを書いている気がする。
そして心の中でつぶやくのは「いったいみんなどこに行くのだろうか」である。
新幹線・飛行機は満席で割高で二酸化炭素濃度が高く、主要高速道路は大渋滞。目的地である行楽地はものすごく混んでいて、朝も昼も夜もクソ暑く、今年はその上に台風が連発して、進路や速度よっては帰りの交通に支障が出るかもしれない。

なのに皆さんこぞってお出かけになるのはなぜなのか?
皆が出かけるから混雑して渋滞して何でもかんでも高くなるのだ、、、と文句を吐くなら、わが国の休暇制度の横並び体質に向けなければならないことは心得ている。
体にも財布にも優しくないことだらけで、苦行・愉楽・苦行の三層構造的夏季休暇の過ごしかたは端から避けるようになって久しい方々も多いと聞く。個人的には「お盆」を尊ぶ風習は趣があって大変良いなと思う。なので、盆期間の前後に余裕ある休日数があれば、帰省往復の渋滞混雑はかなり緩和され、世の中のリズムが変わるのに、と毎度思う。

「混んで割高なのはわかっているんだけれど、子供たちが楽しみにしているから」
というお決まりの説明がなーんとなく一般論化して久しい。
が、今でも本当にそうなのだろうか。
実は混雑を招いている最大勢力は、子育て世代の核家族ではなく、高齢者の夫婦やグループなのではないのか?という疑問が最近強くなっている。あくまで私個人の根拠なきドタ勘でしかなく、しかるべき統計によるものではない。

というのも、休日の高速道路や行楽地で一番目立つのは高齢者なのだ。
駐車場でもレストランでも売店でもトイレでも。
時間とカネに余裕のある高齢層は、繁忙期を外して出かけてもらいたいなぁ~、と思う反面、実は平日も休日も大型連休もせっせとお出かけしている高齢者が多いのではないのか?
という疑念が背筋をぞわぞわと這い上がってくる。
もしそうだとすれば、来年以降も渋滞や混雑の主は増え続けることになる。それはそれで「毎月毎週、いったいどこに行っているのだろうか」という思いはますます強まる。

今や高齢者は消費の担い手としては貴重だが、併せて交通マナーや飲食店・物販店内でのマナーについても若年層のお手本となるような存在であることを心がけて欲しいと切に願う。
職業ドライバーに聴けば、高齢者の運転マナーやサービスエリアでの駐車マナーの悪さは枚挙にいとまなく、聞くに堪えないハナシも多い。実際に遭遇したことも数知れず、だ。
と書いているワタクシ自身も重々気を付けて行動しなければと自覚している。

著者プロフィール

永田利紀(ながたとしき)
大阪 泉州育ち。
1988年慶應義塾大学卒業
企業の物流業務改善、物流業務研修、セミナー講師などの実績多数。

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