物流よもやま話 Blog

就業中に流れる音楽

カテゴリ: 余談

いやはやしかしヒドイ暑さが続く。身の危険を感じるような熱気が日中と日没後しばらくは膨張したままで街中に居残っている。庫内外での作業者はくれぐれも自衛してもらいたい。
管理者諸氏には巡回頻度を増やして、作業者たちの体調確認を怠らぬよう切に願う。よくあるパータンとしては、顔をほてらして呼吸が乱れているにもかかわらず、当の本人は一心不乱に作業に没頭していて、自身の異常に気付かないという状況だ。周囲にいる同僚が指摘すればよいのだが、庫内作業中は他者の顔色や様子にまで気がいかないことが常である。

なので管理者の巡回による作業者の状態監視や声掛けは、庫内事故を未然に防ぐ術として欠いてはならない。権限をもって強制休憩や強制退勤を即決できるという点でもなじみよい。
言うまでもなく、作業中の体調不良による休憩や退勤は、原則として有給対象とすべきだ。
法令や規程云々に照らす以前のハナシである、と思っているし、そういう対処が常識だろう。

クソ暑い中、鬼の形相で作業にいそしむスタッフ各位にせめてもの精神衛生を――と、いうのは使用者側の勝手な思い込みかもしれぬが、近年では終業時間中の庫内に音楽が流れている事業所が増えてきた。しかも多くの倉庫建屋では、ひと昔前の庫内呼び出しや通達用の武骨で音割れ当たり前のスピーカーではなく、音響メーカーのちゃんとした製品が設置されている。
従ってタイヘン音質がヨロシイのだ。

音量についてはバラツキが大きい。「微かに」ぐらいから「ぉお、音でけぇなぁ」まで実にさまざまだ。始業時・午前中の作業時間帯・休憩時・午前終業時・昼休憩時・午後始業時・休憩時・終業時、とそれぞれに曲目を定めて、サウンドコミュニケーション的な効果を目論む事業所もあれば、有線放送の特定チャンネルを終日流している拠点もある。

で、ここでモンダイになるのが、ジャンルである。はたして読者諸氏は「庫内に流すべき音楽ジャンルはズバリ!〇〇〇なのだぁ~」と言い切れるだろうか。
実際に各社の拠点で流れている例としてなら、「ジャズ」「クラシック」「多ジャンルのインスト」「日本のポップス」「映画音楽」「童謡」あたりが、まぁまぁ順当なところかなぁ。
私的には入荷検品時には「あったらコワイセレナーデ」、ピッキング時に「軍艦マーチ」、梱包時には、、、というのは無理だろうなぁ、きっと。

終業時にはドヴォルザークの「遠き山に日は落ちて」が圧倒的多数の賛意を得られそうだ。
が、間違えて「君が代」など流そうもんなら、世界タイトルマッチの開会式のごとく「よーし、やったるぜぃ」とばかりに、終業ではなく始業してしまいそうになるので、くれぐれも気を付けていただきたい。ちなみに「♪もう 終わりだね」とオフコースの〝さよなら〟を使うのは「その終わりの意ではない」と指摘の嵐となる完全な誤用なので、ご注意あれ。

なんかこれ、コメント欄があれば大喜利状態になるかもしれんなぁ。

しかしながら、思い余って手もとのノートPCやら諸台帳やら所長室のドアや一日中小言を吐いている上司の口許に向かって、ラピュタ語で「バルス」などと言ってはいけません。
あくまで本日の仕事仕舞いのハナシであります。
くだらんルールやめんどくせぇ人間関係やうっとうしい上司に向かって「バルス!」と言いたくなる気持は痛いほどわかりますが、私のように心の中で念じ唱えるに止めましょう。

著者プロフィール

永田利紀(ながたとしき)
大阪 泉州育ち。
1988年慶應義塾大学卒業
企業の物流業務改善、物流業務研修、セミナー講師などの実績多数。

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