物流よもやま話 Blog

明日の物流

カテゴリ: 予測

もはや日本ではデフレーションという言葉が意味をなさなくなっている。
今後も物価の上昇はあり得ないだろう。
実消費を無視したインフレ・ターゲットのゴリ押しは荒唐無稽。
歴史を丁寧に読み、過去を蔑ろにしない謙虚さを持ち合わせているなら、先人達が辿った因果を踏まえて適応行動するのが当然である。

低コストでも品質維持を貫く国内メーカーは、経済成熟国であり技術立国・品質意識の高い国民性に応えてきたし、それは国としての誇りである。
生活関連の消費は「底」なのではなく、これが「普通」なのだ。
それ以外の諸物価も横ばいか下げるのみが概ね。

悲観論ではない。
現実である。
それを認めず、まるで経済波動の低い位置に今があって、近いうちに右肩上がりに転じてゆくなどというのは、楽観論でも希望的観測でもない。
虚言か不明か妄想としか思えない。
国内の実消費動向、つまりは生活者がどんな購買行動をとっているのか?
その供給者である各企業の業績はいかなるものなのか?
それを調べればすぐに判ることである。

物流業者はその荷動きを間近で見ている。
国内消費はもう上昇しない。
人の数が減るだけでなく、一人当たりの購入額・購入量も減じてゆく。
悪くなるのではない。
社会資本や生活資本の基礎平均が高い経済成熟国では自然現象である。
国が老いることを悲観するというなら、人間が老いて死すことも悲観しなくてはならない。
老いは万人に見舞う。
そして死は病ではない。

有史以来、市場は国家の思惑や規制を超えて動いてきた。

「市場があれば国家は要らぬ」

という言葉に最大限の敬意と同意と納得を抱く。
現状の本質を射抜くような一行である。

今の景気で利益が出せない会社。
今は底、と耐え忍んでいる会社。
現在の条件で利益が出せない苦しみを打開するのなら、“今の破壊”と“次の再生”に一刻も早く着手すべきだと申し上げる次第。私に進言実行できる方策は物流改善だけだが。
物流はコスト比率が大きいうえに、自社完結で相当量の手入れができる。
破壊と再生の優先順位はとても高い。

私は経済学者でもなければ評論家でもない。
しかし物流現場を定点で注視してきた。
荷主企業の動向を追い、経営者の考えや実感も数多聴き取った。
対面する相手から教示された判断と事実。
単なる予測話とは似て非なる、実業者の存在をかけた確信。
外れる当たるではない。
強く感じている。
自身を疑うことは何かにつけて毎度のことだが、これだけは何年も前から自問し、「間違っていない」と自答することの繰り返しである。

物量が減れば物流業務もそれに比例する。
ではどうすればいいのか?

総労働時間を減らす以外に活路はない。
仕事が減った分だけカットするのではない。
それ以上に減らさなければならない。
仕事量は市場に応じて増減するが、労働量が丸々それに準じる理由はない。
人員削減する前に、業務量とその内容を徹底的に解剖して考察する。
全て白紙に戻すつもりで、現状を疑ってみて欲しい。
その過程無く、経営願望を経営課題にすり替えただけのコストカットや人数減らしを行うのは乱暴極まりないし、企業として稚拙で無策すぎる。
人間を苛めたり苦しめるような仕組や組織は存えることができないと信じて止まない。

業務量を減らす。
総労働時間が減る。
減った分を現状の人員に説明し、広く浅く負担してもらう。

理想論を述べているのではない。
戦略を書いている。
同一労働同一賃金にも懐疑的この上ない。
格差是正や綺麗ごとだらけの雇用創出や雇用維持?
片腹痛いので絶対に同意しない。

他社の動向を横目で見たり、世間並みという免罪符を後生大事にするのはもう止めて欲しい。
とりわけ中小企業にはそうあってほしい。

法令や公序良俗に反しない限り、自社なりの定規を持つべきである。
少なくとも物流業務ではそれができる。

必ずできる。

著者プロフィール

主筆 T_NAG
大阪 泉州育ち。​
1988年 慶應義塾大学卒業。
しかし、ボンボンでもイケメンでもない。

失敗や挫折の数なら、世界規模の自慢大会に出ても結構いい線行くのでは?
と自画自虐しています。

映画と音楽と小説が大好き。
カメラは人生の伴侶みたいなもの。昔は車マニアでしたが、最近は楽にドライブできることが最重要。なので、燃費と快適性が車選びの基本に。

泥臭い努力型の典型なので、弁舌鋭いキレキレな遣り取り、とかは無理です。

【仕事の自慢】
「取引する企業は必ず業績が良くなる」
​何にも替えがたい喜びです。

【好きな言葉】
「粗にして野だが卑ではない」
​絶対に曲げることのない信条です。

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