物流よもやま話 Blog

THE 運賃【2】

カテゴリ: 実態

― 承 前 ― THE 運賃【1】

契約価格の破綻は自明だった。
物流会社は皆内心で感じていたが、こちらから値上げを申し出ることはあり得ない。
荷主は廉い契約運賃に喜んでいる。
ECショップの月間出荷口数が全部で3万件だとして、、、
一件に10円か20円、大型や遠方への発送なら50円から100円ぐらい乗っけて請求できる。
まことにオイシイではないか。現場の事務員さんがまとめ、管理者の確認だけで済む仕事。
右から左の事務手数料としては悪くない。

廉い運賃を求めた荷主。
低単価の運賃契約を営業の販促費に転じさせ、他社よりもお得もしくは他社同様と謳い、取扱い品では差別化しきれない競争力の脆弱を送料無料や割引クーポンで補うことを強みとし。

そんな荷主の需要に乗じて、月間出荷数のみで破格のタリフを提示してきた物流会社。
ネコと飛脚の両担当に相談風のすがりつきをして、「特値」をおねだり。
薄利だが請求額の50%を超える額だし。請求事務だけのペーパー・マージンはありがたい。
荷役・保管料よりも多い運賃立替額。止めるわけにはいかない。
売上半分以下になるんだもの。

運送屋の主管や支社。
それに連なる営業所やセンター所属の営業する運転配達員達。
総出荷件数が多い物流会社には、少々廉くしても支社や主管は文句言わない。
一車あたりの積み込み数が多ければ、単価が低くても総額でいける。
出荷総数が多い物流会社を持っていれば上は何も言わないし、評価されることが当り前。
ネコの客をひっくり返したんだもの。
飛脚の客を全量獲ったんだもの。

全員が敗者になった。
惨敗したのはこの期に及んでも運賃差益にしがみついている物流屋で、逆ザヤでヒィヒィいっている。
運賃値上分を転嫁請求するなら契約そのものを見直す。と荷主から告げられ、その上に運送屋からは「半年以内にもう一度再値上げのお願いをすることになる」と追討ちの言葉が。
自業自得と嘲笑を買っても致し方ない。

送料無料を販促費としてきたネットショップが次点。
「送料かかるなら買わない」「送料払ってまで買う気ない」「なんで送料無料じゃないの?」
みたいな購入者層で売上維持。
商品だけでは勝負できないのだから仕方ない。
運送屋の匙加減で会社の根幹が揺らぐような経営は変えないといけない。
それは理解しているが、仕入や商品企画なんてやったことないし。
だって二年前まで広告代理店で営業やってたんだから。

前職時代、同業他社が奇異な眼で見る中、運賃を荷主と運送会社の直接契約に切り替えて、請求額、つまり売上が2割から5割下がろうとも方針貫徹したことが、今では英断と評価されている。
今褒めるのは誰でもできるわ!
当時どんだけ批判されたことか。

本当のハナシをすれば、英断でもなんでもなかったのだ。きっかけは、、、ナイショにしておこう。
何の参考にもならないから。
しかし、運賃の教訓をもう一度活かさねばならない事態が目前に迫っていると確信している。

それは何か?

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著者プロフィール

主筆 T_NAG
大阪 泉州育ち。​
1988年 慶應義塾大学卒業。
しかし、ボンボンでもイケメンでもない。

失敗や挫折の数なら、世界規模の自慢大会に出ても結構いい線行くのでは?
と自画自虐しています。

映画と音楽と小説が大好き。
カメラは人生の伴侶みたいなもの。昔は車マニアでしたが、最近は楽にドライブできることが最重要。なので、燃費と快適性が車選びの基本に。

泥臭い努力型の典型なので、弁舌鋭いキレキレな遣り取り、とかは無理です。

【仕事の自慢】
「取引する企業は必ず業績が良くなる」
​何にも替えがたい喜びです。

【好きな言葉】
「粗にして野だが卑ではない」
​絶対に曲げることのない信条です。

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