物流よもやま話 Blog

並列と直列

カテゴリ: 本質

営業倉庫を運営する大多数の物流会社の業務フローは並列化されている。
顧客別にフローが存在し、一見すれば受託業務内容別に設えたようである。
しかし各業務フローを重ねてみれば、大部分が一致するはず。
重ならないように見える部分の大半はちょっとした加工で統一もしくは二分できる。
検証する場合にはチャート化して重ねてやれば一目瞭然になる。

つまりは並列ではなく直列で仕事の全てが賄えると言いたいのだ。

車に例えるなら、ボディを外してシャシ、つまりは基本構成部分だけを並べてみればサイズ以外の違いが判らない、、、と同じことである。
「これはどのクルマなのだ?付加部分や加工装飾を見ないとわからない」
と、製造者が苦笑する場面と同じである。
物流会社にありがちだが、取引前の物流の諸データ・業務フローを見れば、即座に「これは株式会社〇〇〇だよ」と言い当てることはできるくせに、自社の物流倉庫で受託業務が始まった後の業務フローを見ても、「うーん、、、A社かH社か、、、ん?ひょっとしてO社か?」と判別が難しくなることが多い。
美容整形の医師が似たようなことをよく言う。

「たまに挨拶されることがある。
 もちろん自分が施術した方だということは判るが、相手の名前が全く浮かばない。
 施術前の写真を見れば、即座に“あぁ、〇〇さんだ”と判るのだけれど、、、」

どこの業界でも置き換えれば似たようなハナシは多いような気がしてならない。

使いまわしといった表現をあてると、何やら批判めいた感が伝わってしまいそうなのだが、それはまったく本意ではない。
同一の方法を長く数多く使い続けると、その間に細かい修正や改良がいくつも加えられる。
したがって、それなりの合理性と安定性、コスト効果が確保されている場合が多い。
落語と同じで、同じネタを長年繰り返しやっていると巧くなってくる。
客席の様子が冷静に見渡せ、感じられるようになり、同じネタでもその場に応じて間合や調子を微妙に変えたりして、起承転結のおさまりを帳尻合わせできるようになる。
やっている本人は飽き飽きしているのだが、それぐらいからが玄人らしい妙味の出どころらしく、聴くほうはそこそこに歓んでいる。
お客様が満足ならば全てよしということなのだ。

ハナシがすっかり横道にそれてしまった。
物流業務フローは直列化が可能なのだ!
という内容でした。

記述すると長くなるので詳細は避けるが、庫内システムやルール策定、什器備品などに、抜群の省略効果が期待できる。
「簡単ですっきりし、廉くなる」という意である。
ECだろうが店舗小売であろうが製造であろうが、業務の流れは一本の直線上に載せられる。
異なる表現や異なる手数、異なる書式、異なる梱包がそれを見え難くしているだけで、基本的な業務内容に大した違いはない。

謳い文句は多種多彩でも、技術的にそうである企業は皆無である。
自社の基幹とする業務作法に装飾や付加物を施しているだけである。

内製化している自社物流においても似たような現象がよく見られる。
単一企業の物流なのに、販売ルートや事業・ブランド別に業務を分けている例がそれである。
その上、在庫まで別に、、、これは絶対避けるべきである。
税務上の区別が必要な場合、つまりはグループ企業間といえども財布は別にする理由があるのなら致し方ないが、それ以外は何の利も生まない。

企業の取扱商材に合わせた業務構築、という文言は理に叶っている。
しかし、それが過剰設備や過剰人員、複雑で鈍重な仕組の方便になってはいないのか?

「多種多彩」「きめの細かい」「複雑な業務も丁寧に処理」「取扱商材や顧客ニーズに柔軟対応」「最適な業務設計を完全カスタマイズ」、、、、、あとは各自で検索願う。
切り捨てて、さらに切り詰めて、その上に引き算を繰り返し、、、の結果ならばよい。
果たしてそうなのかを各社検証するべきだと思う。
その先で得るものは、計り知れぬほど大きい。
走る速度や跳ぶ高さを上げる時が到来した時に、その意味がわかるはずである。

走るのも跳ぶのも、上半身と下半身の協調と強靭さとバランスが大きな要因になるのだから。

著者プロフィール

主筆 T_NAG
大阪 泉州育ち。​
1988年 慶應義塾大学卒業。
しかし、ボンボンでもイケメンでもない。

失敗や挫折の数なら、世界規模の自慢大会に出ても結構いい線行くのでは?
と自画自虐しています。

映画と音楽と小説が大好き。
カメラは人生の伴侶みたいなもの。昔は車マニアでしたが、最近は楽にドライブできることが最重要。なので、燃費と快適性が車選びの基本に。

泥臭い努力型の典型なので、弁舌鋭いキレキレな遣り取り、とかは無理です。

【仕事の自慢】
「取引する企業は必ず業績が良くなる」
​何にも替えがたい喜びです。

【好きな言葉】
「粗にして野だが卑ではない」
​絶対に曲げることのない信条です。

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