物流よもやま話 Blog

企業の完璧

カテゴリ: 経営

物流担当者は各人が業務の中に自身のこだわりを持っている。
心掛け・心意気・信念・信条と言い換えてもよい。
それはとても大切なことで、拠り所をもたない仕事観は迷走や変節の繰り返しを生む。
物流のような「何も起こらなくて満点」、、、つまり「ゼロ」が最高値となる業務では、ぶれなく変わらない基準点や定点が不可欠なのだ。

自社物流には実に様々な汗のかき方がある。
入荷にこだわる会社。
保管に工夫を惜しまない会社。
出荷のスピードと波動に屈しない配置を模索し続けている会社。

その苦心と努力には頭が下がる。

私にもこだわりがある。
現場以前の諸条件や情報経路、オプションやイレギュラーの発生する場所と理由、物流業務の環境を精査し、修正すべき点をつぶしてゆく。物流部門以外へのヒアリングや依頼が発生するので、その調整を根気強くする。簡単ではないが、趣旨を説明して理解と協力を訴えれば、解決の扉が開くことがほとんど。
なぜなら「会社を良くして強くする」という共通認識があるからに他ならない。
現場には作業以外の一切のストレスを与えない、が信念。
ただただ決め事を真面目に毎日毎時間こなしてもらえれば、それで満点であると思っている。
現場に指示が飛んだ時には、全ての答が出ている。
原因と結果は同時に出現するものだと思う。
経験からそう信じるに至った。

完璧な現場などないし、そんな西方浄土のような幻を目指してはいけない。
顧客満足は物流だけで背負うものではない。
「ミスゼロ」や「正確無比」なんていう絵空事は寒々しい。
努力目標を宣伝の具にするのは素人以下。
そんな自覚すらできない ‘ 自称プロ ’ の類には存在価値がない。

人間がかかわり執り行う物流機能は精密機械でもなければ電算装置でもない。
だから完璧な物流などという幻想を追う必要などないし、ましてや受託側が偏狭で薄っぺらい謳い文句にするものでもない。
入荷ミスや誤出荷、在庫差異もゼロを続けることは不可能なのだ。他の業務と同様に。
ミスの常態化、頻発は認めない、で足りる。
生身の人間がやっているかぎり、極限まで仕組みを研いでも、ヒューマンエラーは残存し続けるリスクの一つ。
全自動化された倉庫が出現する日は近いが、それとて全自動化の建前を維持するための補完機能が必要なはずだ。返品後の仕分けやリバイバルなどの二次的作業と判断業務という不可避な要素がある限りは。
だからこそいかり肩で小鼻を膨らませての選手宣誓はほどほどにしたほうがよい。
無理な建前や謳い文句が虚偽や虚言や隠蔽や不正の生まれる畑となる。そんな畑がひとたび出来てしまうと、時として土壌改良では効果が得られず、休耕したり再造成するしか改変するすべがなくなってしまう。
結果的に現場や管理や経営のすべてが疲弊し傷を負う。
係る者が虐げられるような徹底やこだわりは存えない。
そんな現実を思い知り、高い授業料だった、と身銭を切る辛さは、経験した企業にしかわからないだろう。

目標数値の達成は企業として不可欠。
しかし、その目標設定は正しいのかという検証と議論も必添条件。

完璧な営業
完璧な経理
完璧な総務
完璧な開発
完璧な仕入
完璧な人事
完璧な広報
完璧な物流
そして、
完璧な経営

そんなものはどこにも在りはしない。
ただ、100点を否定することや目指さないことは企業道徳として悪とされているから、正面きって言えないだけなのだろう。

これは経営者の受持つ領分。
建前外して思い切って声にすればいかがか。
オーナー健在の中堅中小企業なら、はばかることなくすぐに宣言できる。
原稿なら私が下書きしますぞ。

著者プロフィール

主筆 T_NAG
大阪 泉州育ち。​
1988年 慶應義塾大学卒業。
しかし、ボンボンでもイケメンでもない。

失敗や挫折の数なら、世界規模の自慢大会に出ても結構いい線行くのでは?
と自画自虐しています。

映画と音楽と小説が大好き。
カメラは人生の伴侶みたいなもの。昔は車マニアでしたが、最近は楽にドライブできることが最重要。なので、燃費と快適性が車選びの基本に。

泥臭い努力型の典型なので、弁舌鋭いキレキレな遣り取り、とかは無理です。

【仕事の自慢】
「取引する企業は必ず業績が良くなる」
​何にも替えがたい喜びです。

【好きな言葉】
「粗にして野だが卑ではない」
​絶対に曲げることのない信条です。

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