
「無駄に減るだけだからなぁ」
とかなんとか呟きながら書いているわけだが、今週からいきなり春になったので週頭にスタッドレスタイヤから夏タイヤに交換したのがその理由である。
私の行動範囲ではもう雪は降らぬし路面凍結もしかり。
大好きな北陸・山陰方面でも海側の幹線路は夏タイヤでモンダイなさそう。
というので、二月中にもかかわらず冬タイヤを外したのだった。
廉くない冬タイヤゆえ、必要なくなったらとっとと夏タイヤに交換してしまいたい、、、
ですよね、読者諸氏。
「もったいない」は美徳と信じて疑わぬワタクシであります。
個人的には例年3月上旬に冬タイヤを脱ぐことが多いが、世間を眺めてみても営業車・個人乗用車の別なく、夏タイヤへの交換時期には結構な幅があるようだ。
北東北や北海道ではGW前後まで冬タイヤを履いていることが珍しくないと聞くし、一昨年の4月中旬に青森を訪れた際に乗ったレンタカーはスタドレスタイヤが装着されていた。
実際、山間の幹道には路肩や沢にかけての斜面に雪が残っており、「ひょっとしたら幹道以外の道を通るかも」ということを考えると、タイヤ交換を急がない用心は理解できる。
書いていてふと思いついたが「もったいない」といえば、
「優秀なパートさんがいわゆる“チョウセイ”のために出勤制限をせざるを得ない」
のはもったいないことこの上なく、大いなる損失だと思うが、新内閣の方針を見聞きしていると、速やかに緩和されそうな気配が強く漂う。
ついこの間まで選挙用アドバルーンとして消費喚起を筆頭とする施策が掲げられていた。
しかしながらおそらくきっと5年先には「給与所得者は皆厚生年金・皆住民税」とならざるを得ないわけだから、現在の消費税時限廃止や所得税や社会保障費の控除云々は「結論としては公租公課の恒久的高止まり」に至るまでの段取りに過ぎない。
そして失念厳禁なのは税制上・社会保障上の「被扶養者」「その他免除者」の数が激しく減じて、さらには現役労働者の年齢幅が拡大するという点だ。
つまり10代から70代前半あたりまでの老若男女が何らかの労働で所得を得て、もれなく公租公課の負担者となること必至なのだから、減税やら控除枠の増減に一喜一憂せず、今から来るべき時代への備えをしておくべきだと思っている。
というハナシを過去に何度か書いているが、いずれの場合も下の句はお決まりの「それにつけても物流業務への人材流入の少なさよ」だった。
特に庫内作業への就業は早いに越したことがなく、一定の熟練や場数が価値として認められる基調は今後も揺るぐことがない――という理由から強くお勧めしてきた次第だ。
その根拠となるのは自動化や機械化による省人化と業務の標準化である。
矛盾や排反するように聞こえるかもしれないが、長く現場に立ち会ってきた身としては、年々その感を強めている。
機械化や省人化は来るべき少子高齢化社会における活路。
ニンゲン様の肉体労働や判断業務は減って、少ない人数でより多くの作業がまかなえるようになる、、、その仕組にどれほどの投資が必要なのかはおいといて、ではあるが。
という前向きな“ひなた”のハナシばかりが取り上げられているが、その背後にひなたと同じ大きさで存在する“ひかげ”のハナシは誰が面倒を見るのだろうか。
たとえばアパレルや雑貨などの業種についてまとう返品検収とダメージ・トリアージとそれに続くリバイバル作業などを機械化することは当面難しいはずだ。
なぜなら検査機器やセンサー類があらかじめ定められた基準で正確にトリアージし、しかるべき仕訳を現場固有種のニンゲン様もしくは増殖中のロボット殿が行ったとしても、
「これぐらいのダメージでB品扱いや廃棄処分したら、経営的に厳しい」
というイチャモンを付けるのは本社内絶滅危惧種のニンゲン様である。
同じ会社内で基準を定めて運用開始したくせに、その基準にケチがつく。
というのはどこの会社でもよくあるハナシだ。
一方通行物流ならば理屈や仕組の起承転結は諧調のまま完結するかもしれない。
しかし返品などの逆方向車線が並走する両側通行物流――時として逆方向は二車線や三車線ということもあったりするならば、復路は往路と打って変わって乱調の連続となる。
イレギュラーや規定外に対峙するのはニンゲン様の役目。
という時代が当面続きそうだと思うのは私だけなのか。
返品再入庫から在庫への再計上。
その際の「在庫」とは必ずしもプロパーとは限らぬしマークダウンばかりでもない。
このあたりの“ひかげ”を整理整頓しておかないと、倉庫が重篤な病に罹る。
放置されたままの日陰が氷室のような空間に移り変わってしまった現場を体験したことがある物流人なら、“ひかげ”の始末の大切さは身に染みているに違いない。
返品仕分を外注している自社物流は多いが、作業倉庫のノウハウを得ぬままに外部委託しているのであれば、それはもはや外部依存でしかなく、脆弱性の最たるものとなってしまう。
これに似たハナシを「EC受注品の出荷を外部委託している自社物流は多い」という別稿で何度かしているはずだが、今回もまったく同質と受け取っていただきたい。
「委託と依存は違う」
というアタリマエの理屈を今一度ご確認なさってはいかがだろうか。
永田利紀(ながたとしき)
大阪 泉州育ち。
1988年慶應義塾大学卒業
企業の物流業務改善、物流業務研修、セミナー講師などの実績多数。
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