
これを書いているのは4/7であります。
掲載日(4/10)時点でのイラン騒乱情勢は二転三転している可能性大です。
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現場によって千差万別だろうが、作業時に手袋の類を装着している(させている)スタッフの比率はいかほどなのか――というアンケートではないが、実態は不明である。
先日関与先でふと浮かんだギモンである。
トラとネタがこのまま暴走を続ければ、
→原油供給不安定化
→ナフサなどの原材料確保不安定化
→原油由来製品の製造不安定化
→各種製品流通不安定化
となるので、各方面に多大な影響が及ぶ――という報道が日に日に増えている。
たとえば医療従事者が毎日大量に使用する使い捨てのニトリル製(合成ゴム:石油由来)の薄手袋などはその典型だ。
実は医療現場同様に物流現場でも重宝されている。
価格的にはラテックス製(天然ゴム)のほうが廉いのだが、ラテックスアレルギー(結構多いらしい…15人に1人前後)のリスクを嫌って購入しない事業所は多い。
ニトリル製のほうが破れにくく耐油・耐薬品性もあるので、油性マジックやら粘着テープなどを使用したり、資材を切ったり畳んだり折り曲げたりする作業には好適とされている。
それらの現場消耗品が入手できなくなることで生じる不都合や不便は思いのほか多いはずだが、顕在化して初めて「それはタイヘンだぁ」となるのであって、今はまだ危機感が低い。
かといってあまり煽り立てると、買い占め騒動に発展しかねないので、政府や業界団体も広報の加減が難しいのではないかと思う。
このように、イランと揉めると物流現場はイロイロ困るという因果に見舞われる。
数ある業種のなかで真っ先にコスト増と物資供給不安の波に洗われるのはわが業界。
という理屈などとっくの昔から身に沁みてわかっているし覚悟もできている。
とはいえ実際に燃料不足や各種値上げが差し迫ってくると、やはり堪えるし辛い。
ただ、医療現場の物資不足対策の緊急度は第一順位であるので、作業に多少の不便や不自由があっても物流現場への供給は後回しとなって当然である。
高度医療の処置室から新生児誕生の現場に至るまで、薄手袋の出番だらけと聞く。
アベノマスクに倣ってサナエノテブクロを手当てしてもよいのではないかと思う次第だ。
冬場は防寒と手荒れ防止にも効果抜群の薄手袋。
早々に事態収束して来冬は原油供給の滞りなど皆無→薄手袋安定供給、となっていることを祈るばかりであります。
※4/8現在、イランとアメリカとの間で2週間の停戦同意の報アリ。経過を要観察要警戒ながらもとりあえず足下の原油輸送に明るい材料となることは間違いない。
→4/9夕刻現在、やっぱり事態は不穏で不明に。
原油高騰→物価高に拍車→実質賃金さらに低下、となるので国民はシンドイ。
わが業界に限らず、物価と生活については業績と利益配分と報酬の相関に置き換えてよいので、結局は売上を維持して利益確保するハナシに行き着く。
国民生活を支えるための諸策--最低賃金が毎年70円弱あがったり、大企業が思い切って昇給したり、中小企業が思い切った昇給はできないけど賞与を少し割り増したり、、、
では追い付かないほどの各種値上げが波状攻撃のごとく続く。
こういう時こそじっくり考えて素早く行動しなければならぬはず。
お国頼りや既存顧客一辺倒では立ち行かぬことは明白なのだから、やるべきことは自助努力であり、それが報われていないならやり方を変えることである。
運送屋と倉庫屋の価格転嫁状況には相当の幅があり、転嫁できないままに廃業や事業停止となる事業者は増加の一途。
本年年初に下請法は取適法(中小受託取引適正化法)と変転して発効されたが、その効果はイマイチのまま。その理由もいつか来た道である。
トラック標準運賃の際にも述べたが、護られる側であるはずの物流事業者側が率先して、
「うちは他社より廉くします」
「他社見積をご提示くだされば、必ずくぐり(より廉くする)ます」
なんてことをせっせとやっているわけだから、悪者にされっぱなしの荷主側としてはウンザリを通り越して、なるべく会話や文書のやり取りを減らしたくなるのも無理ない。
もちろんコスト上昇分を過不足なく転嫁したい旨を丁寧に交渉している事業者も数多い。
そのような事業者は取適法以前から地道な顧客囲い込みを行っており、役所や業界団体が作成した価格表や規定などを盾に荷主と対峙するようなヘタクソで幼稚な行動はとらぬものだ。
他業種と同様につかず離れずの営業活動を欠かすことなく継続することで、取引の双方が折り合える点を見出して今に至っているのが現実である。
世に出ている、
「悪徳荷主が生真面目で抗う術を持たぬ善良な弱小事業者を食い物にしている」
という前提条件で始まるハナシは極端で偏った事例を一般論へと拡大曲解している。
運賃や荷役料を抑えつけられている事例で多いのは、
「元請けが下請けに出した仕事を孫請けに再委託して、ひどい場合にはさらに曾孫請けまで存在、、、のような同業内での多重下請けがもたらす薄利もたれあいの常態化」
である。つまり荷主が直接関与しない場所で仕組や利益配分が決定されている。
こんなことやっているうちは最末端の業者が適正コストを得られるはずなどない。
運送業では特に顕著であるが、運送大手はそんな事実を自らは開示しないし、続く中堅にしても大手に倣えである。商流関与者が異存異議なければそれで収まるからだ。
今までも今も今からも、物流事業者というより物流情報商社としての側面が強い業界大手・準大手。情報強者に顧客と協力業者が集まるのは商取引の理として自然なことである。
自前で荷主営業しない、つまり情報を得られないなら下請けも止むない。
口を開けて上流から流れてくるエサを待つばかりでは何も改善しない。狭い川や井戸から出て、自分で食い扶持を探して回ることを始めるべきだと今回も繰り返して言う。
仕事を探してあちこち這いずり回ってもすぐに結果が出るものではないが、忍耐と信念をゆるがせることなく「わが社の仕事を是非お試しいただきたい」と訴え続けるのだ。
被害者意識の強い事業者が憧れる強者たる同業他社は、日々既存顧客の囲い込みと新規顧客の獲得に汗をかいている。
だからこその今であるという因果をどうか理解してほしいと切に願う私である。
やり方がわからないなら私に問うていただいて構わない。
ただし魔法や秘術を伝授できるわけではないのであしからずご承知を。
地道な営業活動のやりかたを伝えるだけであります。
イランもめごとのせいで追い込まれたり絶望したりする法人個人は多いかもしれない。
しかし転んでもただでは起きないと腹を決めて、逆境や逆風時こそ既存の仕組や体制に隙間やひび割れができるので、その間隙を縫うように新規開拓に勤しんではいかがだろうか。
なれ合いや形骸化している「今までの義理」と心中するぐらいの心構えがあるなら、昨日までとは違う世間であれこれ試してみてはいかがかと思うのでありますよ。
案ずるより産むがやすし、かもしれません。
永田利紀(ながたとしき)
大阪 泉州育ち。
1988年慶應義塾大学卒業
企業の物流業務改善、物流業務研修、セミナー講師などの実績多数。
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