物流よもやま話 Blog

廃校再利用にEC事業はいかが

カテゴリ: 経営

先日のニュースでまたもや「大阪府立高校の統廃合」が流れていた。
聞けば募集停止および他校統合は累計で16校もあるのだとか。子供の数が減っているのだから当然のなりゆきと理屈では理解できる。しかしながら府立高校の卒業生のひとりとしては、見知った高校の廃校記事には無常感漂う複雑な気分になる。
そしてこの手のハナシは全国の自治体でも同様なのだろうと思う。

各自治体の域内に出現する廃施設の跡地利用にはEC事業を候補として検討すべき、、、というハナシを今まで数多く書いたり話したりしてきた。
今からも主張し続けるつもりだし、今回も重ねて書く。
過去に記した内容は数年を経た今でも修正不要だと思う。以下にひとつだけ挙げておく。

EC物流どうでしょう?地方自治体殿

ひと口に学校と言っても、小中高大、専門、特殊とあって、立地や敷地内の建屋に微妙な差異があることは漠然とながらも承知している。
幹線道路から敷地までの道路動線の状況や環境によっては、入庫や出庫に係る運送車両やその他営業車が一定頻度出入りするEC事業は好ましくない可能性も大いにありうる。
さらには、校舎や体育館などの既存建屋を他事業に再利用するために必要な改修工事も検討材料となる。しかし、体育館もしくは講堂と校舎1階部へ段差解消や開口部の拡大と庇新設、欲を言えば2階部以上への貨物昇降機付設ぐらいで、荷役・保管には実用に耐えると想定できる。
運動場は舗装してヤードと駐車場に転化すれば、機能面では自社倉庫併設のEC事業所となる。
言うまでもなく、地域の雇用創出と移住者による人口増も期待できる。

毎度のハナシだが、肝要なのは自治体が自前で事業者誘致と雇用創出を行い、人口減少による衰退を回避することだ。結果として税収維持による自治体の独立性が維持される。
統廃合は学校やその他公共施設にとどめ、自治体自体の統廃合は住民にとって合理的で前向きな未来が期待できる案件以外は、御免被るように努めるべきだと勝手に思っている次第だ。
過密化した大都市部人口の数パーセントが分散するだけでも、地方部の数多い自治体は回生の契機を得るだろう。
自治体が独立独歩の気概と意志を貫くためには、楽市楽座的な発想や手法が不可欠となる。
物流機能はその一案として好適であると強く推す。

自治体にとってEC事業者の誘致は検討の価値大と思う。
なぜEC事業者が好適なのかといえば、事業所立地や設備条件に制限少なく、従業員全員に必ずしも移住を強いる必要がないからだ。移転による人材喪失リスクを回避できるので、事業機能の弱体化という懸念が少ないはずだ。
さらに物流機能を内製化して隣接付帯するなら、事務以外の作業人員が必要となる。つまり新たな雇用が生まれるのだ。物流業務に関して言えば、現状が委託か内製かにかかわらず、ほぼ間違いなくコストが下がる。移住するスタッフの生活コストも下がるので、給与水準を維持すれば、可処分所得が増加する。通勤者なら可処分時間も増加するだろう。職住移転による昇給効果が期待できる。
もちろん事前の準備や移転先自治体との打ち合わせは不可欠だが、双方が折り合えなければ無理に進めず、事業者も自治体も他を当たればよい。
ちなみにEC専業かそれに近い業態ならば、物流機能の内製化に大きな懸念は無用だ。ご不安なら不肖ワタクシにご相談あれ。案ずるより産むがやすし、となるに違いないだろう。

自治体の廃施設にEC事業者やその他業態の物流機能が利用されることによって、事業者と自治体の双方に直接利益以上のいわば〝将来的機能の種まき効果〟がなされる。
見込みや期待というより、備えや方策という表現の方が相応しいかもしれない。
まいた種に生る〝将来的機能〟とは、自治体による地域内物流の自前化である。それには域内事業者との協業が不可欠であるし、共存共栄という言葉そのままの姿が実現されるはずだ。
この言葉だけで反応する読者は多いと察するが、詳細や具体は別稿に譲りたい。
実例の公開が許される日を待ち望んでいる次第だ。

著者プロフィール

永田利紀(ながたとしき)
大阪 泉州育ち。
1988年慶應義塾大学卒業
企業の物流業務改善、物流業務研修、セミナー講師などの実績多数。

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