
昨日06時30分。
外出のため車のエンジン始動。外気温計は30℃。
同日16時30分。
強い照り返し眩しく夕方の風情皆無。関与先倉庫ヤードの気温は39℃。
同日20時15分。
帰宅。車のエンジン停止時の外気温計は32℃。
6月から10月までの5か月間は現場シフトを抜本的に変える必要がある。
地域によっては開始が7月、終了が9月でも支障ないようだが、いずれにしても8時頃から19時あたりまでの30℃超の時間帯は稼働制限をかけることが使用者責任として求められる。
のようなハナシを何度目かすら定かでないほど書いてきた。
管理者諸氏は横並び意識による様子見や段階的措置などの優柔不断は捨て去り、早急に熱気対策シフトへの変更を。生産性云々以前に生理的限界のハナシを第一に据えるべきだ。
空調のない建屋なら、開口部の多い平屋もしくは1階部分でも室内温度が35度を超えることなどまったく珍しくはないし、2階より上ではさらに高温となる。
複数台設置されている大型送風機にしても効用の限界はある。
外気温が室温もしくは体温より高い時点で、換気で得られる新鮮な空気を呼吸することによる体温降下は見込めなくなる。
夏季における換気の前提条件は、
「外気のほうが室内よりも低温で低湿で二酸化炭素濃度が低い」
というものだ。つまり肺に取り込まれた「体温よりも低温な空気」が血液を冷やし、それが血管をめぐって体温を下げるという生理機能が働かなくなってしまう。
そうなると発汗水分を気化させるしかないわけだが、給水(冷水が好ましい)が不十分だと脱水症状→たちまち熱中症に、、、医師の説明である。(TV番組の受け売りです)
特に断熱性の低い壁材と屋根材の古い倉庫建屋では躯体自体が‘やけている’ため、最上階では歩行することすらためらわれるような温度になることを知らぬ経営層は少なくない。
なので夏季シフトのような時限措置が要稟議であるなら、社長以下経営層に現場視察をしてもらうことも上申事項に必添として頂きたい。
自社の物流倉庫の労働環境を検分することはエライお方たちの必達責務であると考える。
なんならこの拙文を参考資料として添付していただいても支障ない。
引用や転載や流用の断りは無用であります。
熱中症による緊急搬送の数は年々増加するばかり。
「今年は特別」という意識や言葉はもはや不見識と判じてよいだろう。
特別なのは今年に限ったハナシではなく、来年も再来年も5年後も夏季温度の高止まりもしくは上昇(北海道と沖縄以外では最高気温45℃となるかも)と期間拡大は続く。
本来ならば「屋内作業の現場には空調機が標準装備されるべき」と述べたいのはやまやまだ。
床面積×天井高の空間容積にもよるが、実際に設置した後に、
「まぁこれなら作業に支障は出まい」
と実感できる性能を備えた天井吊型の大型空調機を適当台数設置するコストは今や尋常ではない金額となっている。あいにく昨年までの事例しか知らぬので、今年の相場をここで書けないが、昨年比で15%程度の値上がりは間違いないはず。納期の延長も避けられぬだろう。
空調機に数千万や億超えの投資など無理――という圧倒的多数の事業者は、やせ我慢や小手先の細工で暑気を往なそうとしちだが、総じて効果少なく従業員の保護にはなりえない。
あくまで私の経験値であるが、
「空調とその光熱費が用意できぬのなら苛烈な酷暑の日中は庫内作業しない」
が正解であると断言する――赤道直下の国々の民や動物たちが日中は木陰で休んで動かないのは、お天道様に逆らっても無駄なのだと知っているからだろう。
わが国の蔵人たちも悟り行うべきだと強く願う。
加えて労働契約書の中身も変える必要がある。
夏季期間は変則時間帯勤務を基本事項として織り込み、その間は時間外割増や休日手当を付けないという条件を採用面接時に提示しておく。
もちろん空調完備や庫内作業以外の振替業務が可能な事業者には不要であるが、過半以上の事業所は夏季シフトの必要性を無視できぬはず、は間違いないところだろう。
(空調アリでも夏季限定の変則勤務は検討に値すると思っている)
夏季は日中稼動しない。
もしくは限定的な作業内容にとどめる。
「ならば事業が止まるではないか。そうなれば従業員の雇用もままならぬ。人を大切にするあまり、それがあだになってしまうのはあきらかだ」
というご指摘はもとより承知している。
事業が滞らぬことは最低条件であるし、そのための変形シフトである。
災い転じて、、、というのはコジツケが過ぎるかもしれないが、
「人口動態推移からも明らかなとおり、労働力確保の厳しさは増すばかり。事業者は一刻を争う身構えで、一日の稼働時間を縦に延ばし稼働日を減らす方策を打つべき」
というかねてからの自論にも夏季用の変形シフトは矛盾しない。
つまり春夏秋冬別に18~24時間の稼働時間を設定し、2交代や3交代のシフト運用を常とする。
原則として稼動を週に4日。パート従業員の基本労働時間は6時間。
1日当たりの稼働時間を延長することで不稼働日を増やすことが叶う。
もちろん顧客をはじめとする利害関係者の理解が必須だが、あまり心配する必要はない。
この手の申し出は受け手の反応以前に、身内の偏向した予測や過ぎたる悲観が最大の障害となっていることがほとんどである。つまり何一つ始めてもいないのに、勝手に無理だ何だと決めつけて、過剰に恐れたり萎縮したり、、、という顛末の多いことはご周知のとおり。
行動否定理論さながら――まるでゼノンの二分法のパラドックス※のようである。
※ググっておくんなましー
――のような自社基準を各社規程化するべき世情となっていますよ。
そう言い続けてもはや10年ほどが経った。
「庫内作業については自動化の限界点が極めて低いはず。期待されている夜間や高温期・低温期にニンゲンのかわりに機械が仕事をするにはまだまだ時間がかかりそう」
という見立てを発言した当初には批判や否定的反論が過半以上だったが、5年経過した今の自動化をはじめとする省人化の実態を詳らかに公表する動きは少ない。
皮肉なのは自動化や省人化のシステム開発の旗手とされた事業者たちがAIにとってかわられ、庫内人員よりも先に省人化の対象となってしまった現実だ。
稼動1~2時間で数時間の充電が必要となる自走型の各種マテハン。
すぐにバグやフリーズを起こして再起動やメンテナンスが日常化する最新の制御システム。
無駄や過剰を「きめ細やかで丁寧」と表現するヘンテコリンな拡張機能と法外な追加金額。
いっぽうで、
最低賃金+100円で休憩なしの6時間通しで働き、颯爽と帰ってゆく共稼ぎ子育て中のママ。
手作り弁当とタオルと冷茶入水筒で9時から18時まで黙々と働く還暦直前孫二人のばぁば。
いずれも充電は帰宅後。フリーズもしない、、、たまーにちょっとだけ手抜きしたりはする。
庫内作業には人のチカラがまだまだ必要である。
だからこそ夏季烈暑期間は「うちには庫内空調機がない。だから天災たる熱地獄の日中は作業してはならん」という割り切りが最上である。
働き手の所得が減るモンダイはどうするのか?
という問いへの答が上段の策である。
言うのは簡単だが実際に運用するのは難しい。
そりゃそうでしょう。簡単などとは思っておりませぬよ。
「できない」は「やらない」と同じ。
管理職なら四の五の言わずに、黙って結果を出しなはれ。
よろこんで助太刀いたしまする。
永田利紀(ながたとしき)
大阪 泉州育ち。
1988年慶應義塾大学卒業
企業の物流業務改善、物流業務研修、セミナー講師などの実績多数。
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