物流業界としては、東京・埼玉・千葉・神奈川で交通機能不全となれば、少なからず他道府県にマイナスの影響が及ぶことは避けられない。なので状況の推移から目が離せない物流人が多いのは当然だろうし、事前に猶予したり中止した予定を組みなおす作業に追われた週半ばだったはずだ。お天道様には誰も勝てぬのだから、最善の対策は「動かない」である。
国内の大消費地で個配業務に勤しむ人員は一定の確保ができているし、今後も需給関係は安定して推移するので心配無用。高齢化と若年層の就業不調によって絶対必要数割れの苦境が続いているのは、都市間や拠点間を結ぶ幹線輸送を担う職業ドライバーなのだ。
それをもって物流危機やら2024年問題と騒いでいるようなので、議論を絞って事の核心をつけばよい。あたえりまえだが簡単ではないし一朝一夕に安定・適当とはならないだろう。
実は物流業界でも発表会的イベントは減少の一途である。
倉庫内での各種業務統計の優秀者表彰やドライバーズコンテストなどは、ひと昔前に比して激減しているだけでなく開催規模が縮小している。
何よりも参加者の意気が盛り上がらない。
全国どこでも同じような悲鳴であふれかえっているが、ガソリン代をはじめとする車両関連費の高騰は右肩上がり状態が続いている。しかも動きの水平化は未だ見通しが立たず、冬タイヤ装着の必要な地域では、交換費用なども重くのしかかる。物流コストへの転嫁は待ったなしで行われるべきだし、それに躊躇する事業者は商売替えか廃業の行く末となってしまう。
世間一般の現状を知らぬままに書いているのだが、自身に関わりある範囲では、コロナウイルスの罹患情報が途切れない。とりわけマスクを外す人が増え始めた春先あたりからの伝聞が増えたように感じている。もっとも「そろそろ収束すると安堵していたのに…」という内心がカウンター的に効いて、過去の期間に比して敏感になっているのかもしれない。
長距離移動で高速道路を利用するたび遭遇するのは、大型車の「スマホ見ながら走行」と「うっつら睡魔との格闘蛇行」である。傍から観ていてもただただ怖いし、自損で済まずに巻き込み事故を起こしたら、取り返しがつかないことなど運転手自身がわかっているはずだ。
つい先日のことだが、前方を走る大型車両が小幅ながらも蛇行気味なのに気付いた。
永田利紀(ながたとしき)
大阪 泉州育ち。
1988年慶應義塾大学卒業
企業の物流業務改善、物流業務研修、セミナー講師などの実績多数。
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