原因不明。
物流現場で頻繁に出る言葉。
「うーん、、、」と皆で唸ったり、無言で首を傾げたり、毎度のことなのでスルーしたり。
パート従業員や現場担当社員から報告を受けた管理者までが「うーん、、、」ということも珍しくはない。むしろ、トラブル時に発する社員や管理責任者の言葉ランキング上位に食い込みそうだ。
倉庫内作業において、入荷がすべての始点でありその後の業務品質を左右する要所。したがって入荷作業にはその企業の幾つかの本質が反映される。なぜなら、入荷品がその後の企業収益を生み出す源となるからだ。
「利は元にあり」と仕入れた商品の確認と検分がその作業に委ねられる。
倉庫にある在庫品と店頭で販売している同一品を瞬時に合致できないことがよくある。
「あまりにも違いすぎる」というのがそれらしい理由の言い訳となっている。
言葉は悪いが、庫内で仮死状態という表現が相応しいモノと、売場で展示されている生気にあふれ満ちた商品はまるで別物に見てしまう。
その経営者は「入荷ミスも誤出荷も在庫差異も有ってあたりまえ」と断言した。
物流屋の理屈を理解はしても認めず、顧客へのサービスは頻繁な新商品入荷と低価格が唯一無二という自身の信条を曲げず、自社の物流に高品質という言葉は不要と笑顔で言い切った。
中小企業の国内物流機能を多拠点化することは悪だと考える。
最大限に譲歩しても、企業内外で無検証の放置物としか評価できない。
この狭い国土内での物流に関しては疑いなく無益多損となる。
そうせざるを得ない理由の説明や経緯はたくさん聴いてきた。
さまざまな企業の似たような内容の話を。
「困っていることは何ですか?」
「どうなればよいのですか?」
この二言は営業ヒアリングの基本。
物流に限らずどの業界でも使うし、これを訊かない初動はあり得ない。
私も数え切れぬほど使ってきたし、今後も同じだと思う。
永田利紀(ながたとしき)
大阪 泉州育ち。
1988年慶應義塾大学卒業
企業の物流業務改善、物流業務研修、セミナー講師などの実績多数。
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