物流よもやま話 Blog

イヤハヤなんとも言えないのだが

カテゴリ: 予測

家早南友、という名の少年が登場する永井豪氏の奇作――を思い出しつつ、イヤハヤなんともなぁ~、と何度か繰り返してしまったのは数日前。
そのお粗末で奇妙な出来事の顛末を端折って書こうと思うが、何かを示唆したり、訓戒を意図するものではないことをあらかじめ断わっておく。
愚痴まじりの独り言のようなものなので、さっと読み流していただければ幸いだ。

何度となく書いているとおり、私はアマゾンのヘビーユーザーで、プライム会員となって15年ほどが経過した。したがって、アマゾンで起こるたいていのトラブルや事後処理の経験があると自負しているのだが、何度遭遇しても一向に慣れることができないカスタマー対応での処理がいくつかある。
今回はその中のひとつである「個配業者のミスによる受取トラブル」に際しての事例だ。

先週アマゾンで購入した生活用品(衛生関連)は二個口での配達予定になっていたが、そのうちのひとつが不配だった。
受取時に配達者へ指摘できなかったのは、てっきりふたつの購入品が同梱されているものと勘違いしたからで、開梱して初めて「一個足らん」と気付いたのだった。配達履歴を確認したところ、未配品は「配達中」のステータスのままだったので「あぁ、単純な車内残荷だな」と決め込んで、配達業者に未配の連絡を入れた。すぐに調べて確認の後、再度配達に来るものと高をくくっていた次第だが、どうも事情が違うらしい。
その顛末は以下のとおりだった。

個配事業者の配達担当者の説明(電話)は「同姓の別宅に誤配してしまっており、その主に電話をしたが繋がらない。早急に品物を引き取った後、再配達するので、もうしばらく連絡を待ってほしい」というものだった。
対面・非対面にかかわらず、配達時に送状の住所と氏名を確認するのは基本中の基本。また、誤配であっても配完しているなら購入履歴画面でのステータスは「配達完了」となるはず。
何よりもヘンテコリンな説明の最中に「申し訳ない」という意の詫び言葉が一度も出なかった点も違和感まじりの不快感を増幅させた。
しかも「すぐに対応する」というその電話から、3時間経っても連絡はなく、脳裏には「今日中どころか、回収から再配には2.3日かかるかも」という危惧が過り始めた。すぐに使用したい用品だったので、翌日の入手をするためにアマゾンのカスタマーサービスへ連絡したのだった。

アマゾンの担当者は配達事業者の対応について即座に陳謝したのち、代品の再配送を手当てしようとした。しかしながら折悪く欠品で、入荷予定は二週間後。
で、まずは当該品の返金処理をその場で行うという。かつそのうえで「もし個配業者が不配品を配達した場合、受取拒否して返品するもよし、そのままご使用いただくのもよし。いずれにしても返金は行う」という。つまり「迷惑かけて申し訳ない。即座に返金処理するので、再度必要の品を購入願いたい。アマゾンでも他社でも一向に差し支えなく、仮に遅ればせながら本来品が手元に届いても、返品等の要はない」という中身だ。商品の状態によっては購入が無料になるわけだが、それは迷惑料と看做してもらいたいというわけらしい。

ご経験ない方は「返金?それよりも代替品発送の手続きが先なのでは?」とお感じなること当然なのだが、そうならないのがアマゾンのカスタマーサポートの是非論に頻出する特徴のひとつなのだ。考えようによっては合理的、、、というより無機的で機械的でショップと顧客の情緒的な深まりは醸成されないが、常に等距離の位置関係を保てるし、それが明確でわかりいいというのは実感として抱く。顧客対応の肝は満足度の追求ではなくマイナス防止という割切りの徹底がうかがえる。
従ってリピートするユーザーは、アマゾンの思考や行動のパターンを理解把握し、ルールにのっとって一切の気兼ねや遠慮なく、返品や変更も好きなように何度も行う。大多数のリピートユーザーたちは、その際に誰かの顔が浮かんだり、クレーム申入れの際の気まずさなどを憂慮することなどない。おそらくきっと、いつまでたってもドライに割切ることに慣れない私のようなユーザーは少数派なのだと思う。

不配発覚から3時間30分経って、至急で調査した後に、まずは一報するはずの電話連絡もせずにいきなり「ピンポーン」して、誤配先から引き揚げてきた「開封済みながら未使用なので、受取現認願う」と玄関先で仁王立ちのまま当方が開梱のうえ確認するのを待っている配達者。
そして次に口を開いて出た言葉は「近所に同姓は3軒あり、かつ当該誤配先には6個口だったので紛れてしまった、、」などという説明だった。
いかにも「というわけなので、悪気なく、やむを得なく起こってしまった」とにおわせるに至っては、さすがに言葉を失ってしまった。
物流業界は他業種からの人材流入を願う前に、事業者内での教育や一般常識の確認を最低限度は行う必要がありそうだ。
久しく何かにつけて応援や理解の言葉をつないできたつもりだが、このようなさまでは贔屓しようがなくなってしまう。なんでもかんでも個人の資質に被せるのではなく、企業体質や風土の改善を心がけてもらいたいと痛切に感じている。

私の場合は返金処理という迷惑料を受け取っている形になってしまったが、そうでなかった可能性は非常に高い。
アマゾンへの電話が30分遅れていれば、もしくは再配達が30分早まっていれば、モヤモヤしながら「まったく」とか独り言を吐きつつ、それで矛先を収めざるを得ないのだろう。
たまたま在宅して仕事をしていたから最短時間で済んだが、これが午後から外出などしていたら、いきなり不在宅への配達となっていたはずだ。その後電話やらWEB画面で受取日時を再設定したり、その際の使用・未使用などの商品確認をしたりと、煩雑なことこの上ない。
そうなるとアマゾンの宝刀であるプライムサービスの意味が無くなってしまうわけだが、その文句を個配業者やアマゾンにわざわざ言うのはさらに面倒で不愉快な思いをせねばならないのだろうから、ぐっと我慢してこらえるしかない。

という顛末のハナシをだらだらと書いてみたが、もはやタイヘン不快となってきたので、これで切り上げる。
年に何度か見舞うアマゾントラブルの一例だが、多少の参考になれば幸いだ。
しかしまぁ、なんだかなぁ、、、と声に出している今なのであります。

著者プロフィール

永田利紀(ながたとしき)
大阪 泉州育ち。
1988年慶應義塾大学卒業
企業の物流業務改善、物流業務研修、セミナー講師などの実績多数。

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