毎度思うのだが、EC専業会社の物流業務はシンプルでルーティン化しやすい。
週頭や大型連休明けの出荷大波に対応することぐらいしか苦労は無い。
その他、製造工場が廉かろう悪かろうな場合、入荷時検品が煩雑で、入荷予定数と実計上数の乖離にムラがあって、不要な手間とそのコストが発生するぐらいのものではないか思う。
報われる努力とそうでないものがある。
物流関連では個配運賃の契約交渉がその筆頭。実業者とその利害関与者には忌々しき問題なのだ。
今や個配単価の上昇は、業種業態によっては経営リスクになっていることも多い。
言うまでもなく個配業者との運賃交渉は、実際には交渉ではなくお願いである。
物流業界に限らず、WEB上で顧客一覧や業務事例、顧客インタビューなどを掲載するのは常套となっている。
成功事例の紹介や顧客からの好評・感謝・奏功の言葉が並ぶ。
自社の宣伝のために時間とコストをかけてコンテンツ制作しているのだから、好印象・高能力訴求は当然であり、読み手も心得ている。
しかし実際に契約している顧客から吐き出される言葉の大半は、疑問や疑念を含んだものであり、その要因は不信というより不明であって、不満というよりも不安が勝っている。
営業倉庫に業務を丸投げしている企業ほど、その傾向が強いように感じる。
多少デフォルメしているが、例示してみる。
― 承 前 ― THE 運賃【1】
契約価格の破綻は自明だった。
物流会社は内心で危惧していたが、こちらから値上げを申し出るなどあり得ない。
荷主は廉い契約運賃に喜んでいる。
業務契約しているECショップの月間出荷口数が全部で3万件だとして、、、
一件に10円か20円、大型品や遠方への発送なら50円から100円ぐらい乗っけて請求できる。
運賃については何年か前に見切りをつけた。
その「見切り」とは、抵抗せずに流れのまま受け容れるという意だ。
ここでは個配料金のハナシに絞って記したい。
もはやひと昔前のことになってしまったが、
「ナントカ急便の担当者が値上げを言ってきた」
と前職時代に営業部の部下から相談を受けた。
そのやりとりが、数ヵ月後の運賃立替請求からの撤退に及ぶのだった。
物流現場で一番ウットウシイものは何か?
普段はふんぞり返ってエラそうなことばっかり言ってるくせに、本社から本当に偉い人が来ればペコペコへらへらオロオロ、、、の小心でお調子者の所長。
も時としてウットウシイが、そんなのとは比べ物にならないほど嫌なモノ。
それは、本社の基幹システムであることが多い。
永田利紀(ながたとしき)
大阪 泉州育ち。
1988年慶應義塾大学卒業
企業の物流業務改善、物流業務研修、セミナー講師などの実績多数。
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