物流よもやま話 Blog

雨男ではあるが大切な人ではない

カテゴリ: 余談

あっという間に3週間。
引越しからもうそんなに経ったのか?と驚いてしまう。
しかし何かと落ち着かないことばかりで、生活リズムのルーチン化にはまだ月単位での時間がかかりそうだ。
そもそも生活スタイルの一部を変えることが転居動機のひとつでもあったので、ドタバタや混乱の原因は片付けの進捗だけによるものではない。それに加えて想定外のトラブルや見込み違いがいくつか発生したゆえに、浮足立った状態での暮らしに甘んじるしかないのが現状だ。
(NTT西日本からやっと連絡。回線工事は当初予定から1か月遅れの6月21日が最短)

先月の引越し当日は日本国内が記録的な豪雨に見舞われた1日だった。前日から九州地方で災害級の雨量を記録した低気圧は、その勢力を維持したまま本州を通過した。
「よりによってこんな日に」は物心ついて以来なれたもの。
なんていう独善的達観はあくまで私個人の心境であって、近親者や行事の関与者や無関係の第三者たちまでもがまったく同意できかねるようだ。
呆れるやら愚痴が漏れるやら、、、引越しの作業中も口数が少なく、笑顔や笑い声もあまり目にしなかったのは気のせいではないらしい。

超能力をもつ祈祷師のごとく雨雲を呼び、天の雷(いかづち)を引き起こす――のではなく、私は‘たまたま’という表現が不適当なだけの「ここ一番の時に雨に降られることが多い人」であるだけだ。言うまでもなくさまざまな行事の際にはいつも「明日は晴れますように」と祈念してやまないにもかかわらず、なぜか叶わずむなしいことが常となってしまった。

だからというわけでも、やけくそで開き直っているわけでもないが、雨の付く名の曲や映画に心惹かれるものが多いので、時と場合を選んで鼻歌だったり話題にしたりすることがある。
先月末に訃報が届いたB・J・トーマスの名曲「雨にぬれても」(Raindrops Keep Fallin’ on My Head)なども大好きな曲のひとつ。その発表から数年後に公開された不朽の名画「明日に向って撃て」( Butch Cassidy and the Sundance Kid)の主題歌として心に刻まれている。
この類のハナシをしだすと限が無くなるので、ここで止めておく。

倉庫業務についても青天は何よりの条件であるし、昨今の夏季の炎天を除いては雨天よりもはるかに好ましい。
庇の小さな建屋ならなおさらで、ヤード作業が捗るし、荷の濡れや湿りを気に掛ける必要もないのでありがたいはずだ。
しかしながら、業務に支障がない時間帯や日取りに限って言えば、雨の日のひと気ない倉庫を眺めることは大好きだ。
夜明けや日没直前の音の消えたヤード。
梅雨や秋雨に包まれるような建屋の静寂。
独りたたずみ過ごす時、それらは穏やかで優しい雰囲気を恵んでくれる。

朝陽輝くヤード


最近はそのような時と場所に居合わせることはめったになくなってしまったが、先月久々に客先で待ち望んでいた幸運に遭遇した。
まさに「時が止まる」ような夢想浮遊に似た刹那、心に豊饒な空気が膨らんでいった。
とても嬉しくありがたいひと時だった。

つい数行前に「ここで止めておく」と書いたばかりだが、ふと思いだした映画のハナシをもうひとつだけ。
それは「レインマン」だ。
ご存じの方も多い名画だが、このハナシが大好だ。
ダスティン・ホフマンとトム・クルーズが演じる兄弟が繰り広げる喜劇風のドタバタ物語。
そしてその最後にあきらかになる本当のこと。
今回の掲題の理由を「あぁ、なるほど」と頷いた読者の方もいるはずだ。

「雨男にもほどがある」と辟易され、他人様からの評価などとは無縁の凡庸な人間――そんな自分のことを「親友」「大切な人」と思ってくれる人がひとりでもいてくれるなら嬉しい。

突然文脈が飛んで意味不明なことは承知している。
「レインマン」を鑑賞されれば、多少は合点がいくかもしれませぬ。

著者プロフィール

永田利紀(ながたとしき)
大阪 泉州育ち。
1988年慶應義塾大学卒業
企業の物流業務改善、物流業務研修、セミナー講師などの実績多数。

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