人生の半分以上は古墳のそばで生きてきた。
大阪にはたくさんの古墳があるが、私の暮らしてきた場所は「百舌鳥・古市古墳群」エリアがほとんどであり、現在も変わらない。
育ちは堺市と高石市。高校は大仙陵古墳――いまさら「実は仁徳天皇陵ではない」と言われても困るなぁ――の近く。
現在の職住は応神天皇陵や仲哀天皇陵に近接している。
小学生の頃、友人達の誰ともなく名付けた「ガンバルジイサン」という名の亀をよく捕った。
当時どの縁日でも人気だった「小さくてかわいいミドリガメ」のなれの果てなのだが、デカクてクサクて、くすんだ暗緑色の甲羅にオウドイロの裏側でイカツイ。
丸坊主の爺様のような風貌を眺めながら、「インドの汚い川にぎょうさんいてるお坊さんみたいやな」と思っていた。
倉庫にある在庫品と店頭で販売している同一品を瞬時に合致できないことがよくある。
「あまりにも違いすぎる」というのがそれらしい理由の言い訳となっている。
言葉は悪いが、庫内で仮死状態という表現が相応しいモノと、売場で展示されている生気にあふれ満ちた商品はまるで別物に見てしまう。
物流倉庫の実稼働はパート従業員で成り立っている。
組織的には正社員が運転し、車掌の役目も果たしているバスのように見えるが、実は乗員であるパートさんたちが降りてしまうと物流現場というバスは運行できなくなる。
社員だけで動かすと、すぐに事故を起こしたり、出端にエンストしたり。
車庫入れさえまともにできなかったりする。
物流の仕事をしていると、避けて通れない出来事の一つに企業の経営破綻がある。
完全な破綻もしくは破綻処理に差し掛かった時点で、在庫保管場所の倉庫にも作用が及ぶ。
荷主企業が破産手続を開始したり、債務不履行で債権者から仮差押え手続を執行されたり、法的な手続き以前に納品元が自社商材の回収を強制的に行おうとしたり。
物流業務はミスとの闘い。
と、繰り返し言い続け、書き続け、夢でうなされ寝言にまで。
ほとんどの場合、間違いの原因は内部にある。
取引先の無理難題強要による不可抗力的な、、、なんてことは極めて少ない。
永田利紀(ながたとしき)
大阪 泉州育ち。
1988年慶應義塾大学卒業
企業の物流業務改善、物流業務研修、セミナー講師などの実績多数。
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