業種や規模を問わず、現状が「完全内製」「内製+委託」「完全外部委託」のいずれであっても、自社の物流業務の原価設計と事業価値の試算は必ずおこなってほしい。
なぜならいかなる物流態様であっても、自社の物流業務の原価はひとつしかないからだ。試算すらしないまま利益管理や事業推進しているのだとしたら、それが何を意味しているのか考えていただきたい。
順序としてはその原因が生まれる場所を突き止めて処置せねばならない。
「原因と結果は同時に生まれる」という言葉を久々に書いたような気がするが、物流業務の本質は因果具時の四文字で言い表せるというのが大昔からの持論である。
なので、単純なルール無視が招いたミスでなければ、結果や現象が出現した場所につながる矢印の対極に原因が生まれる場所が存在しているはずだ。
さほど多くない新人研修での講師経験ではあるが、その企業の経営層からお褒めの言葉を頂戴したハナシがいくつかある。
なかでも印象的な反応が例外なくあったのは「誤出荷の生まれる場所-物流現場の地震みち」「どうして物流業務は人気がないのか」というふたつの演目。
社員旅行や新年会・忘年会・休日の各種イベント、、、自由参加が正とされ、企業によっては会社事とすること自体が×なのだとか、、、古式ゆかしい大企業ほどその傾向が強い。
コンプライアンス乞食とでも言えばよいのだろうか。関与先のエライ方々とはこんなハナシばかりしているが、あんまり書くと叱られそうなので止めておく。
つい先日、関与先の現場で準大手運送会社の庸車ドライバーと話す機会があった。
10日後から実施されるトラック運転手の改正改善基準告示の適用直前なので、
「運送の最前線では、どのような具体的対処が元請並びに庸車にまで施されているのか」
を、荷下ろしを終えて一息ついているドライバー氏に尋ねてみたのだった。
そもそも路線便にしても個配便にしても、長年にわたり見積やタリフは何度も更新されてきたものの、一般的な契約書的書面は交わしたことがない。本社の管理部門に確認してもそのような書類は保管しておらず、契約書への代表者印の押印記録もない。
値上・値下の交渉記録とその結果の確定金額が記載された見積書は残っているが、金額以前の運送基本契約的な書面がない
永田利紀(ながたとしき)
大阪 泉州育ち。
1988年慶應義塾大学卒業
企業の物流業務改善、物流業務研修、セミナー講師などの実績多数。
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