
一方通行物流ならば理屈や仕組の起承転結は諧調のまま完結するかもしれない。
しかしひとたび逆方向は並走する両側通行物流――時として逆方向は二車線や三車線ということもあったりするならば、復路は往路と打って変わって乱調の連続となる。
イレギュラーや規定外に対峙するのはニンゲン様の役目。
というわけで大手個配各社は一車当たりの配達完了数が想定よりも下がることは承知で、あえて60歳以上のジジババ配達員を積極的に募集している。
「うちは大々的でも積極的でもない。できるなら高齢者の雇用や委託を増やしたくない」
という事業者があるなら、そんな意識は即刻捨てたほうがよいと申し上げておく。
先入観や偏見は機会逸失や利益損失の元になる。まずは試してみるべきだ。
豪雪地帯の方々から鼻で笑われそうだが、倉庫ヤードと前面道路の雪かきはタイヘンである。
と書いてもあくまで「傍で見ていても」という断り書き付きのハナシでしかない。
当事者たる倉庫や配送センターのスタッフの皆さんのように私自身が雪かき作業をするわけではないのだから、わかったようなことを書くのはヒンシュクものだと心得ておりまする。
いまやテレビ視聴ができる自動車もずいぶん増えてきた。それはトラックでも同様なので、ドライバー諸氏は休憩場所などでオリンピックが楽しめる。
走行中も音声だけなら問題ないだろうし、仕事中であっても誰にはばかることなくリアルタイムでの実況が聴けるのは職種ゆえの役得というものだろう。
前にも書いたが大型車のスタッドレスタイヤの価格をきけば、中小零細の運送事業者はおいそれと「冬季には全車両履き替えさせています」と言えぬ事情も理解できる。
「降雪地帯への仕事を請けたいが、寒冷地を走れる足の車がない」という切実な声が聴こえてくるのもこの季節ならではだ。
仕事量が減った物流施設では人員整理が活発化し、雇用形態にかかわらず雇用調整や勤務時間短縮による所得減少が目に付いた。かたやで雇用調整金を活用して乗り切った事業者も多かったはずで、あの資金がなければ倒産や廃業の数は数倍になっていただろう。最低限の人員確保ができたおかげで、疫禍収束とともに再稼動できた物流施設はたくさんあった。
永田利紀(ながたとしき)
大阪 泉州育ち。
1988年慶應義塾大学卒業
企業の物流業務改善、物流業務研修、セミナー講師などの実績多数。
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