戦争と疫災によって、世界中に閉塞感を伴う不安が漂っている。
まさに降って湧いたような災いの最中にあって、わが国の物流業界は縮小基調とも闘いながら利益確保に尽力せざる得ない。そんな中で欠片のような明るい兆しを模索する毎日なのだが、何をもって希望や未来を謳うべきかを考えるなら、まずは「満足の中身」を再定義する必要があるという結論に行き着く。
今年以降も労働力不足と非正規雇用人員(もういいかげんこの表現はなんとかならんもんか)の時間給上昇は続くだろう。
特にEC事業者の物流現場もしくは類似形態の倉庫内労働者の募集単価は全国的に上昇を続けており、毎年上がる最低賃金の底上げ作用もあいまって、この5年ほどで2割程度上積みされたというのが実感だ。
「梱包作法は激変する」という確信の始まりは、自分自身の日常生活でのとある場面での些細な気付きにすぎなかった。
漠然とした最初の予感ののち、折に触れてその思いは強まっていった。
レジ袋の有料化が実施された頃には、個配場面を想定した掲題の言葉をハッキリと意識するようになっていた。
新型コロナウイルス感染者数が激減しているという報道が日常化し、行動制限緩和のニュースが届くようになった。
かたやで第6波の発生が冬季に見込まれるという指摘も並行して存在することには、違和感まじりのモヤモヤを抱いてしまう。
「で、いつになったら収束するのじゃ?」と内心で何度となく不安な焦燥感が沸き起こるのだが、正解は誰にも解らないのだろうと思考が停止暗転する毎度なのだ。
家早南友、という名の少年が登場する永井豪氏の奇作――を思い出しつつ、イヤハヤなんともなぁ~、と何度か繰り返してしまったのは数日前。
そのお粗末で奇妙な出来事の顛末を端折って書こうと思うが、何かを示唆したり、訓戒を意図するものではないことをあらかじめ断わっておく。
愚痴まじりの独り言のようなものなので、さっと読み流していただければ幸いだ。
この10年足らずで営業行動の一連が大きく変質してしまったと感じている。
とはいえモノを売るにしてもサービスを勧めるにしても、中身と値段の説明は付いてまとうし、その合理性や表現の巧拙が成果に直結するのは当然のことだ。
変わったと感じるのは接客や販促における作法についてである。
永田利紀(ながたとしき)
大阪 泉州育ち。
1988年慶應義塾大学卒業
企業の物流業務改善、物流業務研修、セミナー講師などの実績多数。
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