なんでも管理職クラスの転職がちょっとしたブーム化しているのだとか。
興味深いのはその中身で、転職希望者の求める好待遇の意味合いが今までとは違うらしい。
望む第一は現状に比しての高給や高位でないのなら、はたして何を求めて職を変えるのか?
その仔細については、いろいろと考えさせられる点が多い。
先週末に熱海で発生した土石流による災害は、未だ収拾に程遠い状態のままだ。
被災者の安否とその近親縁者の方々の胸中を想うと、やるせなく辛い。
そして自身の携わる業界にとっても、今一度の点検や確認を徹底しなければならないと強く感じている。
今年も半分が過ぎた。
のようなことを、毎年7月の第一掲載では書いているような気がする。
そしてまもなく梅雨が明けるだろう。例年と違うのは、下旬に東京オリンピックが開会するという点だ。開催についての意見が種々さまざまであることは承知しているが、読者諸氏はすでに食傷気味と察するのでたくさんは触れない。願うのは出場する選手と現場で運営を支えるスタッフの方々へのケアとサポートを第一に、ということばかりだ。
一昨年来、いわゆる受動的受領から能動的受領への主流変転が起こると予測してきたが、どうやら予測ではなく実態と書き換えて説明しても支障ない状況になっているようだ。
自分の望む時に好きなモノを買い、都合のよい場所と時間を選んで受け取る、というのが多数の支持を得そうで、現在主流の自宅や職場での受取行為は置き配を除いて比率を下げてゆくと思える。つまり「宅配」という言葉は徐々に衰退し、個配の中身は置き配などの非対面完結型に転じるに違いない。
初心者マークの物流人が陥るトラブルの最右翼にあるのは、物量の把握の甘さだ。
データから机上計算して、図面等に落とし込んで「支障ない」としていた移転や拠点集約作業の当日、現実の物量に圧倒されて、事前作成した計画表や工程表がまったく機能しない。
つまり目論見がことごとくズレて、作業開始直後から時間割が破綻。否応なく現場任せのマンパワーむき出しのやっつけ作業が連続し、修羅場鉄火場に、、、などはその典型だ。
業務に支障がない時間帯や日取りに限って言えば、雨の日のひと気ない倉庫を眺めることは大好きだ。
夜明けや日没直前の音の消えたヤード。
梅雨や秋雨に包まれるような建屋の静寂。
独りたたずみ過ごす時、それらは穏やかで優しい雰囲気を恵んでくれる。
永田利紀(ながたとしき)
大阪 泉州育ち。
1988年慶應義塾大学卒業
企業の物流業務改善、物流業務研修、セミナー講師などの実績多数。
ご相談・ご質問等ございましたら、
お気軽にお問い合わせください。